外出したり、人と思いっきり話せる機会が減ってしばらく経ちますね。
「なんだか最近うまく話せないな」と思うことがあるなら、それはコミュニケーションの孤立状態にあるのかもしれません。
長期間お家に引きこもっていて、誰ともコミュニケーションをとっていなかった方に、
こちらが話しかけてもなかなかお返事がもらえないことがあります。
もちろん、「話したくない」と会話を拒絶する気持ちがあったり、
単純に人見知りだったりすることもあるんですが、
それ以前に「話し方が分からなくなっている」という原因があることもあるんです。
みんな成長過程で自然と会話が出来るようになっているから、
なんとなく「会話はしようと思えばできるもの」と思ってしまうのですが
それは間違い。
会話をしなければ、どんどん会話は出来なくなります。
単語も忘れるし、感情と言葉が結びつかなくなる。
なにをどう伝えれば伝わるのがが分からなくなる。
最後は、伝える気持ちもなくなります。
人に伝わらない、は孤立の元。
会話が出来なくなるというのは意外と大きな問題なのです。
似たような孤立を感じやすいケースとして、
「子育て中の専業主婦」があげられます。
一人で育児をして、家事をする世界は、予想以上に孤独です。
子供がいるじゃない、と思うかもしれませんが、子供って意思の疎通が出来るわけじゃない。
大人が子供に合わせることは出来るけど、子供が大人の会話に合わせることは出来ません。
母親は、子供に対して、子供が分かる、子供のための会話を用意しています。
一方夫(父)は夜遅くまで帰って来ません。
しかも夫は外の世界で十分コミュニケーションをとっているから
家の中までそれを持ち込みたくないと考えたり、
会社であった大変なことを一方的にしゃべり始めます。
だけど妻(母)が自分のことを話そうとするとうんざりした顔をしてどこかに行ってしまう。
人と一緒にいるはずなのに、会話をしていないわけじゃないのに、
母親は誰ともつながれない感じがして孤独になっていきます。
同じ日本語を使っていても、通じるレベルがかみ合わないと、
人はどんどん孤立して、ますます言葉を使えなくなります。
言葉を使えないということは、ストレス発散の大きな手段を一つ失うことになるので
やがて蓄積したストレスが心身に周って様々な不調をきたします。
前者の引きこもりの方の例ならば、
「人と会話をしていないから孤立」というイメージはつきやすいですよね。
でも実際は、
「人と会話しているのに孤立」というケースがとても多いのです。
自分の話がきちんと出来ること、
自分の話をきちんと聞いてくれる人がいる事は
本当に大事なことです。
最近カウンセリングルームでは、悩み相談ではなく雑談をする方が増えてきました。
今までのようにいつでも人と会ってお話が出来る状況ではないから、
皆さん無意識にストレスが蓄積しているのかもしれません。
仕事上の会話しかしていない、子供としか話せていない、誰とも気楽に話せない。
ふさぎ込んでしまう前に、自分の孤立度をチェックしてあげましょう。
*このブログは毎日19時に更新されます
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