「自分に何か原因があるから人に嫌な思いをさせる」
という考えが根深い人とは、イタチごっこになってしまいます。
言葉を尽くしても、受け入れられない。
どうしても「自分がおかしいはず」という気持ちが取れない。
カウンセラーとクライアントのいたちごっこに見えて、これはクライアントさんの中のいたちごっこです。
「被害妄想や加害妄想みたいなものなのかもしれない…」
「でも私はおかしいから、実際に笑われているのかも…」
「常識的に考えて、普通そんなに他人は私に興味ないよね…」
「でも、私はおかしいから目立ちすぎるのかもしれない…」
あと一歩、と言うところで「私が原因」という考えが足を引っ張り、
そして「思い違いかもしれない!」と強く思って外出しては、「やっぱり笑われたかもしれない」と落ち込んでしまいます。
つまり、「被害妄想か現実か」を検討すると、いつまでも検討し続けることになってしまうんですね。
苦しみ続けるための呪いにかかっているようなものです。
こういう場合は、「私が原因」という部分について考えるのが先です。
といっても、「私の何が原因か?」とか「私が原因かどうか」について考えるのは、あまり意味がありません。
なぜなら、
「容姿が悪いから」
「服が変だから」
「存在がおかしいから」
「分からないけど私が原因」
そんな理由ばかりが出てきて、「私が原因」という証拠集めをするだけになってしまうからです。
考えるといいことは、
「いつからこうなんだっけ」
「きっかけはなんだっけ」
「私はどうなりたいんだっけ」
です。
「私が原因」という主観すぎる主観に、とりあえず客観的な情報を足していくことから始めます。
そして、「私が原因」と思う原因は、たいていの場合過去にあります。
(「私が原因という考えから逃れられない理由」も、たいてい過去にあります)
なので心理療法で過去の自分を変えていくのが近道です。
もし本当に、すべてが「あなたの原因」でも、それはそれで後から対策を考えればよいのですから、
まずは「私が原因」から一度離れてみる経験が必要だと思います。
*このブログは毎日19時に更新されます
当カウンセリングルームに所属する、女性カウンセラーの情報はこちら