何者かであろうとすることに疲れて | 仙台駅前にあるカウンセリングルーム まきび

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開設から18年。不安感・対人関係・恋愛・トラウマについて小さなご相談から改善に向けた専門的な分析・心理療法によるカウンセリングまで幅広く承ります。仙台駅前パルコ2から徒歩1分のビル内にある看板のないカウンセリングルームです。Zoom、スカイプ、お電話でも承ります。

「自分は特に何者でもない」

これを受け入れるのは案外難しく、一つの人生の課題とも言えます。

 

特に最近は、「多様化」「個性」「自由」などという旗のもとに、

ありとあらゆる「細分化されたカテゴリ」が増えてきていますね。

 

男女平等、LGBT、発達障害、「私」らしい生き方。

 

男はこう、女はこう、みたいな大雑把で偏った区分が改められるかわりに、

「私はこう」「僕たちはこう」という発信が進んでいるように感じます。

オンリーワン的な考え方にも近いものがあるかもしれません。

 

個人が個人の共感と創造を呼び、つながっていく世界。

 

この波にうまく乗って自己表現し、時にそれを仕事にまで発展させることができる人たちもいれば、

なんだかよく分からずにおろおろとしてしまう人たちもいます。

 

憧れのブロガーがいて、こんな生活をしたいと思うけどなんだか出来ない。

自分の「好き」や「個性」がよく分からず、みんなのようにキラキラしていない感じがする。

発達障害、精神障害、神経症…調べれば調べるほど当てはまる気がしてしまう。

「私はここ」という、何か根を張るようなものがなく、ふわふわと流されている感じがする。

なぜみんながそんなにまっすぐ生きていけるのかわからない。

 

「自分を大切にする時代」に生まれつつも、いまだに自分の正体がつかめないようなぼんやりとした気持ちを抱いて、自分の生き方に首をかしげてしまう。

 

どの時代も、大きなムーブメントの隅っこには、必ず「息をひそめてじっとしている人たち」がいるのです。

一生懸命生きていたら、突然うしろから大きな波にさらわれたかのような、時代の迷い子です。

 

今の時代の迷子は、「何者かになりたいけど、なれない」という気持ちを抱えることが少なくありません。

「自分はひょっとしたら何にもないんじゃないか」と思い、それはまるで自分が空っぽであるかのような、

無能な存在であることを証明しているかのような気がして、漠然と不安になってしまう。

 

私は、このような方々には時代のカテゴリに入る努力をおすすめしません。

むしろそういう努力をすればするほど疲れているのではないかと考えています。

 

それよりも、

「゛何者でもないただの人間″であることをネガティブにもポジティブにも捉えない心の在り方」

を知ると、ずっと生きやすくなり、大きな時代の波に震えることもなくなります。

 

もちろんこれは、「どうせ私なんて…」という自分の価値を否定するような考え方ではありません。

ただそこに存在するということを受け入れて、広く水平である心の持ち方を知る、という意味です。

 

そしてその先に、目立たなくとも芯のしっかりとした、「あなたらしさ」が見えてきます。

 

時代の一番輝いている部分が「あるべき姿」の全てではありません。

何者かになろうと焦り疲れていくよりも、ゆっくり時間をかけて、「自分」について丁寧に考えていきましょう。

 

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