昨日の続きですね。
容姿のコンプレックスを訴える女性の中に、
明らかに度を超えて「自分は醜い」と思っている女性がいます。
私はほとんどの女性が、何らかの容姿コンプレックスを抱えていると思っているのですが、
ちょっと気にし方のレベルが違う方がたまにいらっしゃるのです。
この場合やってもらうことは、カウンセリング、特に心理療法です。
容姿を磨くことでもなければ、美しく見せることでもありません。
なんなら自信をつけることでもありません。
「自分像」にゆがみを生じさせた出来事を探し出して、ひたすら心の傷を埋めていくアプローチを行います。
明確に容姿を悪く言われた経験がある場合はもちろんの事、
そういう経験がない場合も心理療法は必要です。
「心の傷が無くなっても、見た目は変わらないから問題は同じ」
と思うかもしれません。
でもそれは違います。
なぜなら、今自分で見ているその顔は、周囲から見た顔とは違うからです。
今のお若い方はスマホで自撮りをすることもあるでしょうが、
ふつうのカメラで撮った顔と、インカメラで撮った顔は違く見えますよね?
それと同じです。
人間の目というレンズを通す以上、そこには「先入観」や「美の基準」が盛り込まれます。
自分を顔を「醜い」と思っている(思わされている)状態で見て、醜く見えるのは至極当然なのです。
心の傷は、いともたやすくあなたの認知をゆがめていきますから、まずはそこを元に戻さなければなりません。
最近は整形が身近なものになりつつありますよね。
私自身は、整形で顔を変えることに決して反対ではありません。
でもできればその前にカウンセリングを、特に心理療法を受けるべきだと個人的に思っています。
なぜならば、心の傷で「自分の顔がおかしく見えている」場合、
整形をした後の顔を正確に見ることも出来ない
ことがあるからです。
それがどのような事態につながるかと言うと、
・コンプレックスは解消されたが(周囲から見ると)バランスがおかしい
・何度整形をしても満足できない
・過度にコンプレックスを変えようとして、やりすぎてしまう
などです。
自己満足のために整形をするならまだしも、
「みんなにきれいだと思われたい」
「普通の女性として生きたい」
という気持ちで整形に臨んでいるのなら、これは大変不本意な結果です。
これはお化粧にも同じことが言えます。
自分の顔を見る目が歪んだままでは、きれいになるのも一苦労ですよね。
だから私個人としては、容姿のコンプレックスは立派な「カウンセリングに来る理由」だと思っています。
口に出すのも勇気がいる、という方もいらっしゃるとは思いますが、
余計なトラウマをまずは取り除いて、
周囲と同じ目で自分のお顔を見れるようになってから、
現実的な解決策を探すのも悪くないんじゃないかと思います。
もちろん、心理療法を重ねるうちに、
「案外自分の顔も悪くないぞ」
と気づく方も多いですけどね。
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