妄想と現実のズレ | 仙台駅前にあるカウンセリングルーム まきび

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健全とは言い難いけれども、学校や仕事などの社会生活は歩めている、『妄想』をお持ちの方も大勢いらっしゃいます。

周りでもちょっと変わってる人だなとか、何かずれているんだよな、という人がそれにあたっていたりします。

そういう人は例えば、話してみると専門的な知識があったり、真面目でやる気もあるような話しぶりで、場合によってはかわいげがあったり、どこか人間的な魅力があったりもします。ですので最初は周りから気に入られたりするのですが、いざ勉強や仕事をしてもらうと、周りが想像していたよりできなかったり、気力が続かなかったりします。

これは本人が悪いわけではなく、『誇大妄想』の仕業なのです。

本人は自分自身のイメージを『誇大妄想』を元に作り上げているので、彼彼女がそのまま他人と話すと、周りは本人の実力や人となりではなく、誇大妄想の部分と会話をしているので、現実の本人とずれが生じてしまうのです。

この場合、実際何度か仕事や勉強をしていただくと『誇大妄想』を持っているのか、そうでないのかがよくわかります。

もし学校の先生が生徒の中でそのような子を見つけた場合は、本人の話しぶりに応じて期待をかけるのはあまりよくないことになります。仕事においても面接でいい感じだった人がいざ仕事をしてもらうと全然できない。それどころかすぐやめてしまう、なんてことも多々あります。

そして親御さんの方ではうちの子はいつかはできる、本気になればできる、やる気がないだけ、などと軽視しているうちに20代後半、30代に突入することになったりしますが、精神科へ行っても大丈夫、問題ないと言われたり、発達障害の本やサイトを読み漁ったりすることになります。

最も問題なのは本人自身が『誇大妄想』の自己像を自分自身だと思い込んで疑わないことなのです。「いつかできるさ」と言いつつ、それほど動けない場合は要注意です。ここだけ見ると『自己愛性パーソナリティ障害』なども関連している可能性もありますね。

何度も書いていますが、『誇大妄想』と『被害妄想』はセットで現れてきますので、ほめられている、受け入れられている時は『誇大妄想』で突っ走れるのですが、少しでも厳しい環境、厳しい先輩や上司、仕事が少し難しかったりすると途端に仕事ができなくなり、『被害妄想』のほうに転落していきます。

「みんなが自分を嫌っている。みんなが自分を馬鹿にしている。」という考えが頭の中でリフレインされます。それを自分ではなかなかとめられない。これが『被害妄想』なのです。

そしてこの『被害妄想』が高まって仕事や学校に行けなくなります。周りからすると別に何もされてないのに、なぜ行かなくなるのか、理解できません。

理解できないのは当然です。『被害妄想』は本人の脳内で起こるからです。そしてその内容を他人には話さないことも多いです。だから周りには根性がない、気持ちの問題と受け止められがちです。

この『被害妄想』が本人にとってとてつもなくリアルなものなので、前に進めないのです。

一般の方に似た感覚を経験していただくには、一日睡眠時間を夜の3時から6時の3時間くらいで残りの時間を仕事していただくのを一週間続けてもらい、そのあとで誰かに怒られてみてください(笑)。脳内でずっとその怒られた内容がリフレインされ続けます。

もしくはずっとご近所から騒音を出され続けて眠れないのが何週間も続いたときなんかにもご近所の方を許せない気持ちがとまらない、これもある意味では近い感覚かもしれません。

一般の方よりも、『被害妄想』や『誇大妄想』が起こりやすい人がいるのです。

(あくまで個人で勉強、情報収集した上での見解にすぎませんのでご了承ください)


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