日体戦の敗戦の後の虚無感、もうFINAL4で勝つことを夢見ることができないという現実を、俺は中々受け入れられなかった。
FINAL4で勝ちたい、あの歓声を自分のものにしたいと、毎日そう思っていた。何度も思い描いた。
おれの覚悟と努力が足りなかった。だから負けた。
自分のせいでみんなをFINAL4に連れて行けないことを、本当に申し訳なく思う。
日体戦がおわってからのこの期間、正直自分自身も目的を失っていたんだと思う。再び同期に裏切られ、自分が作り上げてきたチームはこの程度だった、と本当に自分を情けなく思った。悔しかった。
でも、それで一瞬諦めかけた、他人のせいにしかけてた自分は、くそださかった。貴也さんが練習後下を向く自分に一言声をかけてくれて、気付かせてくれた。
いまは、はっきりとした原動力がある。これから先、未来の千葉大学男子ラクロス部のために、早稲田戦で勝利すること。後輩達に想いをつなげること。
残された日数は少ないが、俺の姿を見ていてほしい。全てを伝えたい。
そして、後輩達に2つの言葉を送りたい。
2つとも、自分の大好きな昨年度のDFコーチ本田さんからいただいた言葉だ。
「今を生きろ」
こちらも必死、だが相手も全力。負けるかもしれない、そう思うときもある。
さっきのシュート決めれいれば
さっきのGB一発ですくっていれば
さっきのクリアできていれば
しかし、その思いは試合中に必要なのか。後悔は過去にあり、結果は未来にある。
やるべきことは何か。
それは、全力で今を生きること。人ができることは過去にも未来にもない。その一瞬に命をかける。大事なのは結果じゃない、今だ。全力で生きる「今」の積み重ねに、結果がついてくる。
そして、このチームでできる最後の試合を楽しむ、ラクロスを楽しむ、その一瞬を楽しむ、1対1の本気の勝負を心から楽しむ。
すると、この2つの相乗効果で、パフォーマンスはどんどんあがっていくはずだ。
「OF gets a girl.
DF gets the championship.」
ラクロスは点をとるスポーツだから、華があり、人気を勝ち取るポジションはOFだ。
でも、目立たないし地味かもしれないけど、相手の猛攻を抑え、ボールを奪い、OFにつなげる。チームを勝利に導くのは、確実にDFだ。
だから、飛謙隊のみんなには自分のDFというポジションを誇りに思ってほしい。おれは、ラクロスにおいて、DFが1番かっこいいと思ってる。
このチームはまだ未完成だと思う。
最後のその瞬間まで、進化し続けるはずだ。
今シーズン、正直納得のいく勝利をまだ手にしていない。ふがいない勝利ばかりだ。
必ず早稲田に勝ち、これから先の未来に訪れる千葉大学男子ラクロス部の快進撃、そして1部強豪校への道の、第一歩としたい。
先輩方から受け継いできた想いは、
必ず後輩達につなげる。
16チーム、ラストゲーム。
おれがいちばん輝く。
絶対に勝とう。
一丸。