ボクは、カシオのアナログ電波ソーラー腕時計を、
いつもしています。
そのままですと、日本からの電波を拾い、
1時間遅れの時刻になってしまうので、電波受信を切って。
2015年3月から、ボホール島の妻の実家で暮らし始め、
ビサヤ語が分からないボクでしたが、
よく耳にする言葉、「 オグマ / ugma 」
オグマとは、明日のこと。
ですが、妻の家族と、近所に住んでいる、
たくさんの親せきの話しを聞き、見ていると、
「日が暮れ、寝て、日が昇り、起きたらオグマ」(笑)
そんなふうに、使われている気がします。
マゼランが来る前、500年前と同じように。
ダバオ

下の8枚が今回の健康診断結果、
左上は、その結果に対するボクの質問、
右は、分からない英単語を訳し、発音記号も書いたモノ、
通じない発音、けっこうあり苦戦しますので(笑)
昨年同様、これらを持って、
ハイウェイ沿いのマルタ病院(私立)へ。
10:30
ドクターが来るのは11時、
ボクが着いた時、すでに5人が待っています。
ドクターの専門は糖尿病、ボクは糖尿病ではありませんが、
たまたま、邦人の方から紹介してもらったドクター。
病院専属ではなく診察室を店子(たなこ)する、
フィリピンでは一般的なスタイル。
ビーチサンダル履きで待っている男女5人、
木製ベンチに両脚を開き、後ろへ反るように座り、
太ももの間に、シャツからはみ出た、お腹が垂れます。
ボクは自分の名前を秘書(そうは見えませんが)の女性に告げ、
順番リストに名前を記入してもらい、
通り沿いのセブンイレブンへ、
ブラックコーヒーを買いに行きます。
ドクターが遅れるのは分かってますので、
11時半ごろに戻りますが、ドクター未着、
昨年と同じような流れ、いやな兆候(オーメン)か?
さらに、問診待ちが4人加わり、
暇つぶしのオシャベリタイムが始まってます(笑)
「たくさんの野菜を食べて、米はブラウンライス(玄米)にして、
エキササイズ(運動)して、それに、バナナにはポタシュウム多いのヨ、
豚肉じゃなく、魚を食べなきゃネェ~、
でも、ストレスでつい食べちゃうのよネェ~」
まぁ、内容はこんな感じで、昨年と同じオシャベリ。
フィリピンではよく聞くオシャベリですし、
AM、FM 問わずラジオでも毎時間、
サプリメントCM と絡ませて聴こえてきます。
このオシャベリの中で、本当のことは一つだけ、
「ストレスで食べる」、
他は「そう出来たら、いいのになぁ~」という希望。
日本では、病名が成人病から、生活習慣病と代わり、
生活習慣病とは、まったく上手いネーミングだなぁ、と。
ようするに「治すのは、あくまでも本人」ということで、
健康とは、「今日始めて明日結果が出るモノ」ではなく、
半年、1年、3年後、というように、
時間経過、年月の概念と切り離せず、
カレンダーに予定を記入するように、
計画性も欠かせないモノでもあります。
結局、午後2時過ぎにボクの番(涙)
フチなしメガネの男性ドクターが、
ボクの健康診断結果8枚に目を通し、
各結果の概略を簡単に説明しながら、
「結果は問題ないですネェ」
そして、ボクの質問の番、
準備してあるA4用紙の質問、
ネットで調べても、今ひとつ解らなかったモノ、
日本と違う基準数値範囲などを一つ一つ訊き、
ドクターはそれに対して、例を挙げたり、
臓器の役割などをていねいに説明され、
ボクは用紙にチェックマークしていき、
10分後、最後の質問にチェックマークをし終えます。
医者とは、病気、症状など、
相手の解るように説明するのも、
大切な仕事なんだと、実感します。
廊下からガラス越しに見えるドクターは、
ほんとうによく頷いています。
ボクが最後に質問した、
「どうして、フィリピン人は裕福な人でも、健康診断受けないんですかね?」
ドクターはフチなしメガネを外し、苦笑い、
「フィリピン人は、そういう人たちなんですよ」と。
その日、ドクターに面会に来た人たちは、
すでに発症した人たちで、
糖尿病という病気と付き合い続けることを愚痴って、
ドクターは辛抱強く聞き役に徹し、
その結果、問診時間が必要以上かかるようです。
ドクターが遅れたのは、寝坊したわけでも、
渋滞にはまっていたわけでもなく、
机をはさんで、患者の前に座り、
ただ彼らの話しを聞いていただけのようです。