当時は鈍行(どんこう)で行ってました。
たぶん、2歳上の兄は一緒だったと思います。
思い出せるのは、両端が洗濯バサミみたいに摘んで、
開錠する窓と、向かい合った座席のツイードの座面、背もたれ、
そして、少しカビたような、タバコのような、体臭のような、
あの電車のにおい。
座席の間の床に新聞紙を敷き、寝そべって「私の履歴書」を読んでから(笑)、
そこで線路のガタンゴトンという音も気にせず、ぐっすり眠りました。
山形県新庄駅には「おんちゃん」がシビックで迎えに来てます。
「おんちゃん」とは叔父さんのことで「おんつぁん」と呼ぶ人もいます。
40年ほど前、おんちゃんが話してくれます(南関東言葉編集)
山形市に喫茶店っていうのができてよぉ、
んじゃ、行くべとなって友だち3人とバイクで行ったんだ。
喫茶店っていうのが、コーヒー飲むとこは知ってっけど、
4人でテーブル囲んで出されたコーヒーじっと見て、どーすっぺ?と。
角砂糖を入れ、クリームも入れっぺ、スプーンでかき混ぜ、
かき混ぜながら、どーすっぺ?と。
他にお客いねーし、まさか訊くわけいかねぇだろうよぉ。
んで、4人してスプーンですくって飲んだんだからよぉ~、アハハハハぁ。
ボク「アハハハハぁ」
今、4,000キロ離れた赤道の近く、野良ヤギがうろつくここでは、
毎朝、例外なくその光景を見ています。
日本に9年いたチャーミングな妻も、
すすってます(笑
セブ島、タリサイ市の妻の伯母さん宅、

ハウスキーパーのジリン(女子20代)が姪のチナへ、甘いコーヒーを。
軍団のポピュラーなパンの、パンデサールやフランシスを、
その甘いコーヒーへポチョっと浸して、いただきま~す(笑
食べる直前に、おかゆ状にする合理的な方法です(違います/笑)
ボク「あなたたちのコーヒーの飲み方キテるよね~」
「キテる」は妻の好きなコトバ。
妻「子供だった頃、ドラゴン・カペ(ローカルインスタント)を鍋で作り」
ボク、鍋で?と不思議でしたが、
質問するのをグッとこらえます。
妻「それをボールへ入れて」と、
どんぶりを両手で形作り、
「スプーンですくって、ゴハンにかけて食べたんですヨ」
ボク「ウッソだ~~~~ぁ!」
妻「マヂですヨ」
「マヂ」も妻の好きなコトバ。
妻「朝、コーヒーが飲みたいなぁ~っていう時に、デス」
ボク「コーヒーが飲みたいなぁ~って気分がなくなるよぉ!」とココロの中で。
フィリピンへ来て驚く(含超非常識)ことはたくさんありましたが、
これは、また違ったショックです。
ですが、トライします。
あっ、やっぱりやめます。