絵本紹介 勇気〜COURAGE〜 | たちばなのたちばなし ♡ たちばなゆひ オフィシャルブログ

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幼少期より、大阪放送児童劇団にて演技の基礎を学び表現の面白さを体感する。関西を拠点にモデル事務所にて広告モデルや和装モデル、レポーターとして活動。京都松竹にて時代劇を学び、映画、ドラマ等に出演。女優として新歌舞伎座の舞台や、関西小劇場などで幅広く活動。




大阪教育新聞6月号
「子どもと絵本を結ぶ」Vol.166で
『勇気〜COURAGE〜』を
紹介させていただきました。

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『勇気〜COURAGE〜』
バーナード・ウェーバー 作・絵
日野原重明 訳
ユーリーグ
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(以下、掲載文です。)

積極的な勇気と消極的な勇気
どれもが立派な「勇気」

 「こんなにいろんな勇気があるんだ。すごいのから、いつでもやれる冒険まで。」クイズ大会で難問に答えるのも、秘密をもらさないのも、悪い癖をなおすのも、髪をバッサリ切るのも、山があれば頂上まで登るのも。どれもが、立派な勇気、勇気。

 人間は一日に最大三万五千回の決断をしているといいます。何かを「する」、「しない」、どれを選択し行動するかなど、人生を大きく左右するような決断もあれば、日常生活の些細なことを選択して決めるといった、重みも大きさも多岐にわたります。

 アメリカの絵本作家、バーナード・ウェーバー氏によって描かれた本書は、同時多発テロ事件が起こった翌年の二〇〇二年に出版され、瞬く間に多くの読者の支持により有名になりました。ウェーバー氏は第二次世界大戦前に大学で会計学を学びましたが、戦争により学業を中断します。そして終戦後、地元の美術大学に入学し一九六一年に絵本作家としてデビューしました。大人気の『ワニのライル』シリーズをはじめとした三十三冊の絵本を出版しています。

 訳者は、生前に日本の予防医療や終末医療の普及にご尽力された医師・日野原重明氏です。晩年は全国の小学校で「いのちの授業」を行い平和と愛の大切さを伝えてこられました。

 図書館で「勇気」というタイトルに魅かれて手に取りました。新しいことを始めたり大きな決断をしたりするのに勇気が必要だということは日々感じていましたが、本書に出会って、何かを継続していくことも勇気であり、日々の些細な決断も勇気の連続なのだということに気づくことができました。現在は絶版となっており、本書と出会えたことが奇跡のようです。

 積極的な勇気と消極的な勇気、どちらも「勇気」に違いありません。成長していく子どもたちだけでなく大人にとっても、これまで自分の中に秘められていた「勇気」を誇らしく思えると共に、これから踏み出す一歩に対して後押ししてくれる一冊です。