中小企業の社長には、「数字が苦手」という方が少なくありません。

ここでいう数字とは、経営に関する数字です。
売上、利益、粗利、資金繰り、借入返済、在庫、客単価、受注件数など、会社を動かすために必要な数字のことです。

ただ、最初から数字に強い社長は、それほど多くありません。

必要だから学ぶ。
役に立つから使う。
会社を守り、成長させたいから、少しずつ数字に向き合う。

これが現実ではないでしょうか。

 

だからコンサルタントは、数字が苦手な社長を責めるのではなく、数字を見ることに慣れてもらう支援から始める必要があります。

経営は実学です。

机上で会計知識を教えるよりも、実際の経営判断に使いながら学んでもらう方が、社長にとっては取り組みやすいものです。

 

最初は、決算書を一緒に見るところから始めてもよいでしょう。

自社の売上や利益の推移を見る。
競合他社や業界平均と比較してみる。
「なぜ粗利率が下がったのか」
「なぜ売上は増えたのにお金が残らないのか」
「どの商品、どの得意先が本当に儲かっているのか」

こうした問いを投げかけると、社長は少しずつ数字に関心を持ち始めます。

 

毎月の試算表や資金繰り表も、単に確認するだけでは意味がありません。

「今月、何がよかったのか」
「来月、どこを変えるのか」
「目標達成のために、どの数字を動かすのか」

このように、数字と行動を結びつけて対話することが大切です。

 

すると社長は、事業別、商品別、得意先別の売上や粗利率、月ごとの推移などを知りたくなってきます。

ここまで来れば、数字は社長にとって「嫌なもの」ではなく、「経営判断に役立つ道具」になります。

もちろん、最初から完璧な経営計画を作る必要はありません。

まずは毎回の面談の中に、必ず一つか二つの数字を入れる。
その数字を見ながら、社長と一緒に考える。


そして、次の行動を決める。

この積み重ねが、数字に弱い社長を変えていきます。

中小企業コンサルタントに求められるのは、難しい数字を並べることではありません。
社長が自分の会社の数字を見て、次の一手を考えられるように支援することです。