本日はカレント7月号に掲載されました
◇現代社会と青年◇
での室舘による記事をご紹介いたします。
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ネガティブの裏に光あり
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「リモートで仕事をしていると、会議では仕事と数字の話ばかりでイヤになります。雑談もなく人間関係の構築が難しいです。どうしたら良いでしょうか」
先日、大手通信会社の、二十代の若手社員、数十名に対して営業研修を行いました。そこで二十七歳の社員から、冒頭の質問がありました。
リモートワークが進み、効率の高まりに慣れてきた一方で、このような意見も根強くあります。若者たちも、コロナ禍での閉塞感を感じているようです。私は彼の話をさらに聞いた上で、こう答えました。
あなたがとるべき行動は三通りあります。
一.その不満や不安を抱えたまま、我慢して耐えて妥協して生きていく。(実際、大半の人はこの手段を取るでしょう)
二.会社を辞める。(しかし、そう考えていないから質問してきています)
三.現状を変える。(簡単ではありません、しかし彼はこれを希望していました)
ではどうやって現状を変えるのか? 必要なのは「信念」と「知恵」です。
まず自分が「絶対に変えてやる」という強い信念を固めること。これがなければ何も始まりません。
次に「知恵」です。一人で名案が浮かべば苦労はありませんが、難しい場合は「仲間づくり」をしましょう。同じ信念を持つ仲間をもう一人作ってください。
一人よりも二人(理想は三人)で考えた案は全く違います。個人の意見ではなく固まった提案となります。
組織にとっても固まりは無視できません。そうやって突破していくのが良いでしょう。
この話を聞いた彼の目は輝いていました。明るい未来が見えたのでしょう。
読者の皆さんは、冒頭の彼の質問を聞いて「不満を漏らすネガティブなヤツだ」と思ったでしょうか?
しかしー見ネガティブに見えても、実はよく考えていて「現状をより良くしたい」という想いと主張を持った、頼もしい青年だったのです。
若者が抱えている不満・不安も、彼らの話の真意をしっかり聞いて適切に指南してあげれば彼らは輝きます。
「これだから今どきの若者は⋯⋯」という言葉は、もしかしたら実力のない年配者の言い訳なのではないでしょうか?