ストーリーの質を高める『構造化』の作業 | チエでつながる, ワザでつながる、ココロでつながる、価値を生みだす           ~ 物語思考が世界をかえる

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この世に生まれて間もなく、人は「ものがたり」と出会い、そこで広い世界とのつながりを作ります。このblogでは、「ものがたり」と共にある人の可能性を探求していきます。

 

「類推」の質を高める上で重要なのは、

 

“目標達成の形”、

“その達成に貢献する要素”

そして、

“それらの関係が示された全体構造”である、

 

という話を前に書きました。

 

現実に「類推」を働かせようとする際は、

この「目標(達成形)」のところが、

重要になります。

 

海外旅行に持っていくものは?

 

魚釣りに揃えなければいけないものは?

 

火事になった時に絶対に持って出るべきものは?

 

こんな形で“目標”が与えられると、

私たちの脳は“検索”を始めます。

 

魚釣りによく行く人なら、

揃えるべきものがスラスラと出てくるでしょうが、

 

5年前に行ったきり、

という人だと、

半分くらいしか出てこないかもしれません。

 

ストーリーも事情は同じです。

 

三つ巴の激戦の末に受注に成功した。

 

チーム力が漸く発揮できるようになってきた。

 

長年の技術的課題がやっと解決された。

 

受注、チームワーク、問題解決の様な

「目標(達成形)」が明確にされていると

 

それに関連する頭の中の「知」が

結集されやすくなります。

 

逆に言うと、

「経験」(これは自分の実体験のみならず、

先輩から聞いたストーリーとか、本で読んだ

歴史の出来事なども含みます)があっても、

 

上の構造が整理されていない記憶のままでは、

「類推」が働きにくい、すなわち

肝心な場面で「知」が十分活用されない

可能性が大きいのです。

 

そうは言っても、と

 

感じる方はおられるかもしれません。

 

「達成に貢献した要素」と言われても、

単にラッキーだっただけ、

とか

何だかよく分からないけれど、

お客さんが急にウチから買いたい、と

言ってきた

 

の様に、

実際によく分からないことの方が多い。

 

そういう経験は、使いものにならないのか。

 

また、こんな疑問もあるかもしれません。

 

現在のチームの関係はとても良いのだけど、

特にチームワークをよくしようと

目標を持ってやってきたわけではない。

 

日々の仕事を一緒になって頑張った結果、

いいチームになっただけであって、

これは日常の集積としか、言いようがない。

 

はい。

 

いずれも重要なポイントを突いています。

 

というのも、

それらのケースこそが、

「構造化」の作業が重要になってくるものだからです。

 

一つづつ考えていきましょう。

 

ラッキーな受注、

よく分からないけど、買いたいと言ってきた、

というケースは現実に起きているけれど、

 

モノゴトはすべて因果関係で繋がっていて、

「構造化」の作業は、

それらの点と点を線で結ぶ作業です。

 

そこには調査・分析・仮説づくりといった作業が

入ってきます。

 

だから受注した後に、

「ウチを選んで下さった決め手は何だったんですか?」

と尋ねたり、

 

上司とか同僚とか、協力企業の担当者とかと

「どこが良かったんだろうね」

と意見を出しあって、

 

達成への貢献要因、

そしてそれらの連結構造を、

自分なりに解釈しておくことが、

とても大事になってくるのです。

 

現実に本当のことを突き止めることは

難しいかもしれません。

しかし、

 

経験を自分なりに消化し、自分なりの仮説で

解釈していくことが、ここで大事な点なのです。

 

これはチームワークとか、人間関係の場合でも

同様に言えることです。

 

すなわち、いいチームとか、

強い信頼関係といった”達成“形を

“目標”の位置に置いてみた際に、

個々人のどんな行動や姿勢が、

 

また、

チームに起きたどんな契機が、

その状況の形成に寄与してきたか、

 

そこのところを探っていくことで、

以降の「類推」に貢献する

構造化されたストーリーに

再構築していくことが出来るからです。

 

その際に肝心なのが、

「振り返り」と「編集」ですが、

 

それらは次回以降に続けます。