皆さま、 こんにちは、
『越境コラボ塾』 塾長の 真門 です。
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このブログは、日本人が国境・国籍の枠を超えて、
世界の様々な人々とコラボレーションをしていけるよう、
有益と思われる情報を発信しています。
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イエメンの女性ジャーナリスト
タワックル・カルマンさんと並んで、
リベリアの大統領 エレン・サーリーフさんと
同国の女性運動家 リーマ・ボウイーさんに、
今年のノーベル平和賞が贈られると、決まったそうです。
リベリアといっても、どこにあるのかさえ、分からない人も
多いと思いますが、
西アフリカの中でも西寄りの国で、
大西洋に面した人口360万人の小国です。
良質の天然ゴムとダイヤモンドが採れ、
それらの利権を巡って権力闘争が長い間続き、
私がガーナに居た頃(2002年)頃は、
出口の見えない内戦を繰り返していました。
ガーナには同国からの難民も多く、
現地スタッフと一緒に居ると、“彼らはリベリアからの
難民だ“などと、教えてくれたりしたのですが、
彼らが、どうやってガーナ人とリベリア人を見分けているのか、
不思議でならなかったのを、思いだします。
日本では当然ながら殆ど知られていない事ですが、
リベリア(Liberia)という国名の起源はLiberty = 自由。
この国は、アメリカの解放奴隷の受け皿として、
19世紀初頭にアメリカ自身が人為的に作った国で、
つまり伝統的なアフリカ文化を生きてきた人々と、
何世代にも渡ってアメリカに生活し、
そこからアフリカに“戻されて”移植してきた人達が
無理やりひっつけられて出来た国です。
アメリカは、そこに “解放された” 国を作りたい、という
彼ら特有の“よい価値観”を基に国づくりを支援したと
伝えられますが、
私がガーナに居る頃に聞いていた話では、
その発想が伝統社会の発想とは、中々マッチング出来ず、
更にそれが、部族間の問題、資源獲得の問題などとも
絡まって、非常に複雑でややこしい状況になっていた様に
聞いていました。
しかしその後の展開 - 2003年に停戦合意、2005年に選挙で
アフリカ初の女性大統領を選出、
そして今回のノーベル賞受賞 -
を見ると、
背後にアメリカが強力に動いているのは
間違いないにしても、
利権を巡る争い、部族間抗争、文化を巡る対立、と
一見解決不可能に思えた複雑で根の深い対立を、
『女性の権利獲得』 という視点で
意図的に解いていった、
極めて巧みなシナリオが読み取れます。
という意味で、政治的な意図は色々あるにせよ、
大勢の人の命が犠牲になっていた状況を改善した事は
まぎれもない事実であり、
その発想と関係者の行動力は、当に敬服すべき
ものだと思います。
今、アラブで起こっている事とも当然繋がるのでしょうが、
『女性』が、これからの世界全体の動きを見る上で、
キーワードの筆頭に来ることは間違いないと、
今回のニュースでも、証明されたと言うべきでしょう。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
『越境コラボ塾』 塾長
真門
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