皆さま、 こんにちは、
『越境コラボ塾』 塾長の 真門 です。
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このブログは、日本人が国境・国籍の枠を超えて、
世界の様々な人々とコラボレーションをしていけるよう、
有益と思われる情報を発信しています。
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‘70年代終わりから’80年代にかけて、アメリカを中心に
日本企業を研究する気運が生まれ、
労働慣習についても、色々な指摘が為されました。
その頃、日本の組織の特徴として指摘されたのが、
年功序列、終身雇用そして企業内組合、の3つです。
これらはアメリカ人の視点から見た当時の日本企業の
姿でしかなかったにも関わらず、
何故か日本人であった私達も、それが日本の伝統的な
慣行であるかの様に認識していた。
しかし、例えば年功序列は、戦後の一時期の姿を
示しただけであって、伝統的にあった慣習では
ありませんでした。
無論年功に対する敬意はあるし、経験を重んずる発想も
あるけれども、
基本的に日本で伝統的に通用していた考え方は
ワザやウデを重視する実力主義でした。
丁稚から始めた松下幸之助は、
“若いのに腕がいい”と見込まれて、
10代から現場のリーダー的な仕事をやっています。
‘50-'60年代の日本は、急速に工業国化が進み、
企業が若い働き手を大量に採用した。
当然ながら、社内の年齢分布は大部分が若手で、
上層に行くほど人は殆ど居なかった。
そこで企業が考えたのは、
上に行くとこんなに給与が上がるから、
若いうちは我慢してね、という
年功序列の仕組みです。
経営者の発想としては、自然なものでしょう。
そしてそれから30年が経ち、
経済成長は見込めなくなり、
組織が逆ピラミッド型の人員構成になってきて、
コストが行き詰ってきた途端、
成果主義に一気に移行した。
経済合理的には、正しい判断です。
ただ、’80頃に新人で入ってきて、
安賃金で頑張った挙句、漸く管理職になったと思ったら、
いの一番に賃金カットの対象とされた世代にとっては、
やっぱり騙された感覚が拭えませんね。
(まさに私の世代です。 (´Д⊂ヽ )
年功序列は、伝統的な発想とか文化とかではなく、
単に経済的な事情から経営者が考えたしくみです。
とはいえ、30年以上つきあったその労働慣行から、
日本特有の人材育成の仕組みが育ってきたのも
事実です。
人事ローテーションに代表される長期視野の人材育成、
フォーマルなOJTとインフォーマルなOJT、など。
こうした仕組みは多分、日本企業の現場のしくみや
研究・開発の方法とも繋がっていて、
海外に展開するにあたっても、無視できないものだと
思います。
今、成果主義の是非が、色々な所で語られていますが、
長期的な人材育成が出来ない、といった議論も
あるようです。
成果主義については、多分まだ色々修正すべき点が
あるのだと思いますが、
グローバルな視点に立つなら、実力で評価する発想が
原則論としては、分かりやすいのだと思います。
“年功序列 = 日本的労働慣行“ の様な思いこみは排して、
自分達の作り上げてきた仕組みを活かし、
現地の人が納得できるしくみづくりを、
汗をかいて作り上げていく事が、
協働の場では、益々重要になってきているのだと思います。
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最後までお読みいただき、
ありがとうございました。
『越境コラボ塾』 塾長
真門
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