まいど~とんぼもみじ

絵本講師の くが やよいですニコ

 

 

月ごとのおすすめ絵本の記事を久しぶりに書きます。

 

 

 

彼岸花が咲いて、秋祭りが催されるこの時季に読みたい絵本。

 

『おひさまいろの きもの』

広野多珂子/作・絵

福音館書店

 

 

 

 

【内容は・・・】

 

ある村に、ふう という女の子がいました。

お母さんとふたりで暮らすふうは、目が見えません。

 

もうすぐ秋祭り。

ふうは、なかよしのさっちゃんとたみちゃんと一緒に行こうと約束をします。

ある日、さっちゃんの家から秋祭りの着物の布を織る音が聞こえてきます。

そして、たみちゃんの家からも。

 

ふうは、母さんが一日中働いても

布を織る糸を買えそうにないこと、

ふうの家には、はたおり機さえ ないことも知っていました。

 

それでも、おさえきれない思いがあふれて、

「かあさん、ふうにも あきまつりのきもの つくって」

と母さんに頼みます。

 

 

これまで何か欲しいと言ったことがなかったふうの言葉を受けて

母さんは、ふうを抱きしめながら言います。

 

「わかったわ。ふうにも、あきまつりの きもの つくってあげるね」

 

 

ふうと母さんは、夜遅くまでわら草履を編んで、

そのお金で、一番安い白い糸を買います。

糸屋の店先で、花もようのきものがいいと話す目のみえないふうを見て、

糸屋の主人が、ふうの母さんに笑いながら聞きます。

 

「はなの もようが わかるのかい?」

 

母さんは、ふうの肩を抱きながら、きっぱりと答えます。

 

「ええ、ちゃんと わかります。このこには、おひさまの いろだって わかります。」

 

 

 

 

 

 

おひさまいろのきものができあがった場面で

絵本を見ていた男の子からもれた一言、

 

 

「・・・・・できた!」

 

 

 

日本の昔の暮らしが ていねいに描かれていて、

生きていく強さや希望、知恵と工夫、そして

母さんのふうへの愛と優しさが 素晴らしい絵と言葉で紡がれています。

 

 

 

ゆっくり読むと10分くらいかかりますが、

私は、幼稚園で読んだり、お年寄りのホームで読んだり。

小学校の講演会では、一年生から六年生まで

全校生徒といっしょに楽しむことができる絵本です。

 

 

 

 

 

布を織り上げたふうと母さんを  やさしく照らす月の光の中で

はたおりきから外した布を 何度も何度もなでる場面、

 

そして、秋祭りの日に、

縫い上がった おひさまいろのきものに袖を通したふう。

 

 

その場面を読んでいると

いつも私は 胸がいっぱいになります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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