まいど~ワカメ)))     
ワカメ状態からだいぶ回復してきた)

絵本講師の くが やよいですニコ

 

 

 

16日は、月に一度の絵本学講座の日でした。
 
2015-2016年度は
「日本の絵本作家たち」
 
2017年度は     
「アメリカを生きた女性絵本作家たち」
について学んでいます。
 
 
5月・『100まんびきのねこ』のワンダ・ガアグ
6月・『ちいさいおうち』のバージニア・リー・バートン
7月・『かあさんのいす』のベラ・B・ウィリアムズ
 
9月は『ABCのおかいもの』
『アリスンの百日草』ほかの 
アニタ・ローベル。
 
 
台風接近の土曜日。
金曜からのワカメ状態と長引く腰痛で
北千里まで行けるかどうか迷ったんですが、、
 
 
行って、ほんとうに 良かった!キラキラ
 
 
前回に続いて
自分では絶対に
手に取らなかっただろう絵本との
劇的な出会いがありました。
 
 
 
先生の絵本学講座を受講すると
毎回 胸が震えます。
 
 
絵本のことを学ぶのに
広く浅い知識はいらない!
 
たくさんの絵本を 
ただ知識として知っていることよりも 
 
一人の作家の生きざまを深く掘り下げ、
どんな生い立ちを経て
当時、どんな社会情勢の中から
その作品たちが生まれたのか。
 
そういうことを学びたい!
 
先生の講義を聞くたびに、そう思います。
 
 
 
アニタ・ローベル
1934年 ユダヤ系の両親のもとに生まれる。ポーランドのクラクフに住む。
 
 
 
この一行を読まれた先生は、こう言われました。
 
 
「あーっ!と思ってほしい。
絵本を学ぼうとする者なら、
世界の歴史を知っておいてほしい。
 
そして、
この一行がどういうことを表すのか知ってほしい。」
 
 
1934年・・・
ユダヤ人というだけで
生まれたときから既に
生存権をはく奪されているような社会情勢。
 
アニタが5歳の時、戦争が始まり、
3歳の弟とともにばあやに連れられて
放浪の旅に出ます。
 
 
1944年 
ナチスドイツに捕まえられ、強制収容所へ。
 
 
アニタ・ローベルは
彫りの深い顔立ちと黒髪の女の子でした。
ユダヤ人だと一目でわかる外見です。
 
しかし、弟は金髪で
ズボンを脱がされなければ
男の子だとは分からない顔立ち。
ずっと女の子のふりをして
姉のアニタと一緒にいたそうです。
 
 
5歳と3歳の姉弟・・・
ずっと弟の手を離さないでいたアニタ。
とにかく、「煙が上がっている方へは行かない」
と本能的に感じ取っていたのだと。。。
 
 
翌年、奇跡的に開放され、スウェーデンヘ。
 
 
その後、両親と再会を果たしたアニタは
アメリカへ渡り、美術学校で
アーノルド・ローベルと出会い結婚します。
 
 
 
先生の資料には こうありました。
 
 
「1939年にポーランドに在住していた
14歳以下のユダヤ人 約百万人のうち
戦後まで生き残ったのは
0.5%にあたる五千人だけだった。」
 
アニタ・ローベル/著『きれいな絵なんかなかった』 
訳者あとがき(小島希里)より
 
 
14歳以下・・・の子どもの
99.5%が・・・
 
殺されたのです。
 

 

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この日出会ったアニタの作品は
美しさ溢れる楽しいものだったけれど
 
その美しさの中に
 
ある種の壮絶さや
喪失感を埋めるために描かれた〝何か〟を
感じずにはいられませんでした。
 
 

 

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『ABCのおかいもの』 On Market Street
アーノルド・ローベル/文 
アニタ・ローベル/絵  偕成社
 
 
ある町の市場で A to Z・・の
それぞれのアルファベットの買い物をする
ユニークな絵と文章が続きます。
 
 
この感性・・・やっぱり外国!
日本じゃ あり得へん!
 
Zなんて・・・Zなんて・・・!爆  笑
 
 
 

 

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『アリスンの百日草』 Alison's Zinnia 
アニタ・ローベル/作 
青木久子/解説  セーラー出版
 
 
これはね、もう、見ているだけで
たくさんの花束を手渡されたような気持ちになりました。
 
 
なんと美しい 花、花、花・・・
そして、各ページの花の下の小窓に
一人ひとりのドラマがあります。
 
 
花束を渡すように
大人に読んであげたい、特に女性に。
そう感じました。
 
 
 
 
 
こんな絵本・・・・
自分では見つけられない~!
(好みじゃない、と食わず嫌いで手に取らなかっただろうと思いました)
 
 

絵本、という一つの作品の

背景にある社会問題や歴史、
作者の生い立ちや 

込められた思いを知ると

絵本への思いがまた一層深まります。

 


 
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『ニニ、まいごになる』 Nini  Lost  and  found
アニタ・ローベル/作
松川真弓/やく  評論社
 
 
これはニューヨークで2010年に出版された絵本。
(日本では2015年)
 
 
ネコのニニ、何ともいい表情をしています。
なんとも愛らしく、ネコがより愛おしくなる作品です。
 
 
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たくさんの作品を世に生み出してくれたアニタ。
1934年生まれだというから
今もどこかで暮らしているのかな。
 
きっと、大好きな作品たちに囲まれて。
 
 

 

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