前回に懲りることなく、
また横浜トリエンナーレに行ってきた。
今回のメイン会場は、横浜美術館と新港埠頭(新港ピア会場)。
他に、連携プログラムと称し、
海岸通りのBankArt、黄金町バザール、
これらの拠点は、無料バスで結ばれている。
ボランティアっぽい若者たちが、張り切って案内してくれた。
11月3日までということで、来場者も増えてきたようだ。
(画像は、人がいない時をねらって撮影)
前回、ひととおり眺めているので、
退屈そうなエリアは軽くスルーし、
面白そうな作品を探してみるに徹してみた。
で、今回一番気になった作品は、新港ピアにあった。
モノクロームの映像作品で、
西洋人の青年が、高い木の枝につかまっている。
彼は、徐々に枝の先の方へと進んでいく。
おっと、危ないぞと思ううちに、片方の手が離れ…
数メートル下の運河に、彼は落ちてしまう。
次の映像は、
柵のない運河沿いの道、そこに走ってくる自転車。
自転車に乗った青年は、ブレーキを掛けることもないまま、
そのまま運河に落ちてしまう。
これらは、”落下”というそのままのタイトルの作品で、
オランダのバス・ヤン・アデルによるものだ。
解説によれば、1942年生まれ(1975年没)だから、
これは、トリエンナーレのための作品ではなかったのだ。
こういうのもあるんだなあ。
アデルは、1970年代から、この落下をテーマにした
映像パフォーマンスを発表し始めたらしい。
落下する青年は、たぶん本人なんだろう。
コントみたいで面白いシリーズだが、
彼自身は、アメリカ東海岸から、
ボートで大西洋を横断中に消息を絶ったという。
気の毒なことだが、まるで人生自体が作品のようだ。
落下シリーズは、もう1作品上映されているので、
会場でご覧になるのもいいだろう。