3月の韓旅 こちら↓のレポのつづきです。
3/13 ここは日本かと見紛うほど昔のままの日本式建物が残っている板橋村(パンギョマウル)
板橋村から車で1時間20分、同じ忠清南道(チュンチョンナムド)洪城郡(ホンソングン)にある南塘里(ナムダンニ)という港町へやってきました。
今回の旅のメインイベントである、今が旬のトリガイのしゃぶしゃぶをいただくためです。
トリガイは1月から産卵前の3月末までが旬と言われ、養殖ができず収獲できる場所が限定されているためお値段もお高め。
南塘里が面した浅水湾(천수만・チョンスマン) では、1980年代に干拓工事がおこなわれたそうですが、潮の流れが強く工事は難航しました。
その時に、建設会社は近くにある低い山という山すべてを削り、その土を湾へ流し込み続けることにより、流れを遅くしたのだそうです。
その土の中に含まれていたミネラル成分により、浅水湾に面した南塘里のトリガイの味が良くなったと言われており、トリガイは水深5~35mの干潟と砂が混じった浅水湾で最も多く育ち、ここ南塘里は全国最大のトリガイ集荷場になっているのだそうです。
2004年から毎年冬には南塘里トリガイ祭りが開催されるそうでして、この日も祭りの真っ最中。
アジョッシがトロット(韓国の演歌)を熱唱してました(笑)
秋には大海老(대하)祭りも開催。
トリガイと大海老(手前)のモニュメントまでありますよ。
旬のトリガイ以外にも海産物を提供する飲食店が入ったビルがドドーーン。
これだけたくさんの店がある中でどの店で食べようかと事前にネット検索している時に、ふと目に止まったのが南塘食堂(남당식당・ナムダンシクタン)。
なんてことはない食堂のように見えるでしょ?(笑)
店頭では물메기(海ナマズ。写真↓左上)がお出迎え。
店内の水槽に大量のトリガイが積み重なるように入ってました。
トリガイは韓国語でも새조게=鳥貝。
その名の由来は、貝から身を取り出すと貝の先端が鳥のくちばしのようだからと言われています。
(諸説あるようですが)
金曜日の11:30だったので先客はおらず、サジャンニムたちは下ごしらえの最中でしたが、左手にある個室に通されました。
しばらく経って出されたパンチャンにおったまげた!
茹でたての大量の牡蠣ではないですか!
小粒ですが、めっちゃ美味しかったです~!
そして、波模様のように美しく並べられたトリガイちゃんが登場。
まさに芸術作品!!!
他のお店はお皿の上に無造作に盛られていたんですが、ネットでこの図を見た瞬間に、手間がかかるにも拘わらずここまで綺麗に並べてくれるこのお店には絶対こだわりがあるに違いないと思い、この店で食べたい!と思ったんです。
そして、サンナクチ(手長ダコの踊り食い)、ホヤ、ユムシ、赤貝、そして生牡蠣まで。
この生牡蠣には全く臭みがなくて、これまで食べたどの牡蠣よりも美味しかったんですよ~♪
全貌がこちら。
トリガイは1kgで、この日は55,000ウォン。その日の仕入れによって価格が変わります。
しゃぶしゃぶ用のお鍋には、あらかじめたっぷりの野菜と、アサリともう一種類の貝が入っていました。
なんて贅沢なんだ!
サジャンニムに確認したところ、ピンク色の白菜のキムチは、グアバ、ビート、玉ねぎなどをミキサーにかけたものに漬け込んだのだそうです。
時計回りにその左隣は姫ニラやパンプンという葉を醤油やお酒に漬け込んだもの、左奥はキクイモときゅうりのチャンアチ(お酢が入った漬物)、その右隣の茄子のようにみえるのは野生のコールラビ。
パンチャンにかなりの手間暇をかけていますよね。
最初に出してくれたお茶が珍しい味だったんですが、グアバの葉のお茶だそうです。
しゃぶしゃぶに漬けるようにとサジャンニムが用意してくれたのが、右下のソース。
ちょっと舐めてみたところ、なんとも複雑なお味。
「これまでいろんなテレビ局から取材を受けた時にも話したことはないんだけど、日本に公開しちゃおうかしら」と、ちょっとお茶目がサジャンニムがその材料を教えてくれちゃいました(笑)
かぼちゃ、ニンニク、もち米、麦芽、コチュジャン、玉ねぎ、リンゴ、ウコン、生姜、レモン、ビート、4年物のブドウの酢、玄米酢、リンゴ酢と10種類以上の食材使っているので、韓方の香りも漂う爽やかで身体にも良さそうな深みのあるソースでした。
韓国のしゃぶしゃぶって、何でもかんでも具材をどんどんお鍋につっこんじゃって、「それじゃシャブシャブじゃないじゃん!」っていいたいパターンが殆どですが、サジャンニムが「トリガイは新鮮だし、長く火を通すと却って硬くなってしまうので、ワカメやナズナとともに数回お湯にくぐらせて食べてね」と教えてくれました。
〆はカルグッスで。
「韓国人としてのプライドを持って料理を提供しています。
この店にいらしたお客様は幸せになれるし、私はその10倍幸せです」
そう仰るサジャンニムのこだわりを持つ料理の腕には、感心感動いたしました。
トリガイをお皿にきれいに並べるのも「この方が美味しく見えるでしょ」と、やはりここにもこだわりが。
またまた私の「野生の勘」が大当たりした超お勧めのお店ですよ。
南塘食堂(남당식당・ナムダンシクタン)
住所 洪城郡西部面南塘里483-1(충남 홍성군 서부면 남당리 483-1)
道路名住所 洪城郡西部面南塘港路213(충남 홍성군 서부면 남당항로 213)
電話番号 041-632-8242
ソウルからの行き方
ソウル龍山から洪城駅まではムグンファ号で約2時間10分(9,600ウォン)
またはセマウル号で約1時間50分(14,300ウォン)
洪城駅よりタクシーで約46分(約25,000ウォン)または276番バスで約1時間20分(남당리下車)
東ソウルターミナルから洪城総合ターミナルまでバスで2時間30分(9,500ウォン)
洪城総合ターミナルからタクシーで約分(23,300ウォン)または276番バスで約1時間20分(남당리下車)
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