本日のトリビア☆ヒマラヤの雪男伝説 | 読むとためになる猫屋敷のトリビアBLOG☆

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( ̄ω ̄)/

 それは1951年11月、ヒマラヤでイギリス人の登山家『エリック・シプトン』氏が仲間と共に、当時誰も成し遂げていなかったエベレスト登頂のルートを探すための調査において、謎の巨大な足跡を発見したことに始まる。その足跡は標高約5350m地点に設置されたベースキャンプ近くにあり、人のものよりはるかに大きく、深く、そして形が人のそれと似ている。こんな草木もない極寒の山奥に未知の巨大生物がいる! この発見と写真はアメリカの新聞のトップを飾り、世界中に知らしめることとなった。
 その後、世界各地から、この足跡の主と思われる生物を目撃したことがあるという証言が寄せられ、『ヒマラヤの雪男伝説』と呼ばれるようになる。

※ヒマラヤで発見された謎の足跡。長さ30cm、幅13cm。熊のものとは明らかに違う。この足跡はずっと先まで続いていたという。だが、この足跡については当初から、熊の足跡の雪解けによる変形や、発見者のシプトン氏による捏造が根強く疑われている。


※謎の足跡を発見したイギリス人の登山家エリック・シブトン氏。

【目撃情報から分析した雪男の特徴】
①身長(推定):1m50cm~2m70cm
②体重(推定):180~400kg
③全身は毛で覆われている。(毛の色は赤茶かベージュまたは白)
④人間のように二足歩行をする。

 このうち、①~③の目撃例はまるでバラバラであり、共通しているのは二足歩行だけである。彼等ははたして何を目撃したのか!? 無論、現地に棲息する野生動物や岩肌の誤認も数多い。だがそれだけでは説明の付けられないものもあり、実在する可能性は否定しきれない。ならば誤認や捏造以外の、それらの生物は一体何なのか!?


ヒマラヤの僧院に保存されている雪男(イエティ)の頭皮と手首の骨。(これらは後の鑑定により、頭皮はシーロー(ヒマラヤに棲息するカモシカの一種)、骨は人骨であることが判明している。)


※雪男の想像画の1つ。【提供元 M/Y/D/S クリップアート集】


※漫画『少年アシベ』に登場するイエティ(雪男)。冬の時期には全身の毛が長く伸びてボーボーとなる。デフォルメされてはいても、やはり想像する雪男の姿は似たものとなる。
 左の少年は主人公アシベの親友スガオ君。父の転勤でネパールに来てイエティと遭遇。その後イエティは阿南一家と仲良く同居することとなる。


※アメブロのペタボタンにもイエティが♪

 謎の足跡発見より60年も経った頃、この謎にオックスフォード大学の『ブライアン・サイクス教授』が挑んだ。
 ブライアン・サイクス教授は、かつて5千年前の化石化した人の骨からDNAを取り出すことに成功した世界的にも有名な分子人類学者・人類遺伝学者の権威である。サイクス教授は科学者の立場から雪男の正体を見極め、新たな科学の発展に貢献したいという信念からこの謎に挑んだのだ。
 雪男伝説はヒマラヤ各地に伝説があり、呼び名も各国により異なる。ネパールでは「イエティ」、ラダックでは「テンモー」、ブータンでは「ミゲ」と呼ばれている。確かに、目撃例や証拠とされるものの多くは誤認や捏造であった。だが今回は極めて確かなものに限定し、それらを最新の科学を用いて分析を行うのである。サイクス教授は各地に残される『雪男の毛』からDNAを抽出し、それらを分析することにした。


※ヒマラヤの雪男の謎に挑んだブライアン・サイクス教授。


※体毛は腐敗しにくく、古い死体でもDNAが残されていることが多い。

 最初のサンプルは、2003年にラダックでフランス人山岳ガイドの『クリストフ・ハゲンムラー氏』が入手したテンモーの毛である。
 これは、ハゲンムラー氏がパトロール中にケガをした男性を発見したときのことである。ケガをした男性を家に送る道中、ハゲンムラー氏はケガをした男性を励ますため「雪山にいるヒョウを探していてね。」と話しかけたところ、ケガをした男性は「そんなものより、もっと面白いものを見せてやるよ。」と言ってきたという。そしてケガをした男性の村に着き、そこで見せられたものとは、ある動物の剥製だった。だが何の剥製なのか見たことがない。小柄な人間くらいの大きで、全身が茶色の長い毛で覆われ、大きな口に大きな歯が生えていた。ケガをした男性は、これは30年ほど前に射殺されたテンモーだと言った。ハゲンムラー氏は彼に頼み、研究のため、この剥製の毛を少し分けてもらったのだという。

※テンモーの剥製の毛を分けてもらった山岳ガイドのクリストフ・ハゲンムラー氏。


※ハゲンムラー氏がケガをした男性の村で見たという証言を元に描かれたテンモーの剥製の画。不自然に大きな口が特徴的である。

《分析サンプル① テンモーの毛》
 発見:1970年初頭/ラダック
 長さ:5cm
 色 :オレンジ/茶

 次のサンプルは、イタリア北部ボルツァーノにあった。何と『雪男の剥製』である! この剥製は1938年に、チベットの山でナチス・ドイツの探検家『エルンスト・シェーファー氏』によって射殺されたものである。
 これは、シェーファー氏がナチスの「ドイツ・アーリア人の起源がチベットにある!」という説を研究するため(現在この説は、全く根拠のないものとして否定されている)、チベットの山を訪れたときのこと。シェーファー氏はそこで、二本足で歩く見たことも聞いたこともない未知の生物と遭遇し、射殺して死体を持ち帰ったのだ。 (なんてヤローだ!( ̄ω ̄#)  )


※ナチス・ドイツの探検家エルンスト・シェーファー氏。


※シェーファー氏に射殺された二足歩行の未知の生物の剥製。顔の体毛が極めて少ない。顎部は失われており、粘土で復元されていた。歯が逆方向に差し込まれている。


※ボルツァーノにはサイクス教授が直接赴き、自らその剥製から毛を採取した。太陽光でDNAが破壊されている可能性があるため、サンプルは出来るだけ内側の毛を採取する。

《分析サンプル② 雪男の毛》
 発見:1938年/チベット
 長さ:7cm
 色 :ベージュ/茶

 そして3番目のサンプルはヒマラヤの東部ブータンで発見されたミゲの毛である。これはブータンの山奥にある、ミゲのお気に入りの寝床といわれている空洞になった木の根元から採取されたものだ。

※ミゲの寝床といわれている空洞の木と、案内してくれた地元の男性。(この男性は吉本のお笑い芸人ではない。)

《分析サンプル③ ミゲの毛》
 発見:2001年/ブータン
 長さ:15cm
 色 :明るい赤/茶

 だが、1951年に発見された謎の足跡にはある疑問があった。それは、熊が二重に付けた足跡ではないのか?というもの。つまり、熊が歩いた際に前足の足跡に後足の足跡が重なって深く付いたため、実際より体重の重い生物のものとされたのではないのか?ということだ。実は、ヒマラヤには確かに熊が棲息している。それは大別して『ナマケグマ』『ツキノワグマ』『ヒマラヤヒグマ』の3種である。だが生息域を見ると、ナマケグマは標高1500m以上、ツキノワグマでも3600m以上の高地には生息していない。だが、ヒマラヤヒグマなら5400m以上の高さにも生息しているのだ。これは、謎の足跡が発見された標高とほぼ同じ高さである。ならば謎の足跡はヒマラヤヒグマの足跡が二重に付いたものだったのか?

ナマケグマ。(生息域:標高1500m以下)


ツキノワグマ。(生息域:標高3600m以下)


ヒマラヤヒグマ。(生息域:標高5400m以上)

 この疑問に対しては検証実験が行われた。実際に大型の熊に歩いてもらい、その足跡の付き方を見るのだ。
 検証実験に協力してくれるのは、アメリカン・グリズリーのブルータス氏。大きさも体重も、謎の足跡の主に想定するには申し分ない体格である。動物学者ケイシー・アンダーソン博士立ち会いのもと、実際にブルータス氏に歩行してもらうのだ。
 実験開始。彼の足跡はなかなか重ならない。もっとも、熊のように前足と後足の長さの違うような生物は、普通に歩いて足跡が前後重なることはまずない。そのため、ブルータス氏には何度も繰り返し歩いてもらうこととなった。

※動物学者のケイシー・アンダーソン博士(左)とブルータス氏(右)。アンダーソン博士はブルータス氏を赤ん坊から育て上げ、今では大親友である。


※実験中のブルータス氏。当然ながら足跡はなかなか重ならない。ちなみに彼の体重は360kgである。


※ようやく前後重なった。確かに深い足跡となる。石膏で型を取り検証してみると、その形はヒマラヤで発見された謎の足跡ではなく、むしろ人のそれにより近い。

 はたして、謎の足跡はヒマラヤヒグマが二重に付けたものだったのか? いや違う! 何故なら、エリック・シプトン氏が謎の足跡を発見したとき、それは延々と続いていたという。加えて先の実験が示したとおり、熊の足跡が前後重なるのは、熊が歩く速度を変えたときや方向転換をしたときなど何かの要因で歩幅に変化が起こり、タイミングが合ったときだけである。ヒマラヤヒグマが、そして熊が、普通に歩いて延々とその足跡が前後重なり続けることなどあり得ないからだ。それに数々の目撃談で、雪男と呼ばれる生物は「人間のように二足歩行をしていた」という共通の証言がある。やはり未知なる巨大生物がヒマラヤに存在する可能性は依然として高い。
 サイクス教授が採取した毛で行った分析は『ミトコンドリアDNA分析』という、その生物の母方の種を特定するもの。そしてついに、その結果が明らかにされた!

【分析サンプル② 雪男の毛】
⇒DNA分析不可。(剥製に加工するための化学物質によってDNAが損傷していたため。)

【分析サンプル① テンモーの毛】
【分析サンプル③ ミゲの毛】
⇒DNA分析成功!

 このサンプル①と③からまったく同じ生物のDNAが検出されたという! それはナマケグマでも、ツキノワグマでも、そしてヒマラヤヒグマのいずれのものでもなく、それはなんと『ホッキョクグマ』! しかもただのホッキョクグマではない。これらの毛に残されていたDNAは、4万年以上前に死亡した『古代ホッキョグマ』のDNAと完全に一致したのだ!

※2004年にノルウェーで発見された古代ホッキョクグマの下アゴの骨。 長さ23.4cm。年代は4~13万年前とされ、サイクス教授が照合した古代ホッキョクグマのDNAサンプルは、この骨から採取されたものである。


※現代のホッキョクグマ。最も北に棲息する熊であり、最大最強の熊とも言われている。見かけはかわいいが、下手に遭遇すれば極めて危険な存在である。

 ではなぜ、氷の上で生活するホッキョクグマのDNAがヒマラヤ周辺で発見されるのか? サイクス教授の仮説によると、サンプルの毛の主は古代ホッキョクグマそのものではなく、古代ホッキョクグマが太古の昔にヒグマと交配し、誕生した種の子孫ではないのか!?というもの。4万年以上前、この当時のヒマラヤには現在より更に北極圏に近接した陸地が存在し、ここでホッキョクグマとヒマラヤのヒグマが出会い、交配が行われ、雪男とされる生物の祖先が生まれたと考えられるのだ。
 ヒマラヤの雪男の目撃談がまちまちなのはこのためとされる。交配種とは父方・母方それぞれの特性が合わさり、様々な特徴が現れる。雪男の毛の色が白だったり茶色だったり、目撃者や場所によって違っているのも、交配によって様々な固体が存在していることを指す。足跡で考えても先の検証結果しかり、熊であれば後足で立ち上がったり、ある程度なら二足歩行も可能なため、より深い足跡が付くだろう。更にサイクス教授は、古代ホッキョクグマのDNAを受け継いだこれら交配種は、本来の熊とは全く異なる性質を持つ別の熊となっている可能性も指摘する。本来の熊とは異なる熊であれば、骨格も変化しているかもしれない。ならば、「人間のように二足歩行をしていた」という証言も頷ける。これが、ヒマラヤに伝わる雪男伝説となったと考えられるのだ。

 サイクス教授は、現在でもヒマラヤに古代ホッキョクグマとヒグマの交配種、つまり「雪男」と呼ばれた生物は存在していると考えている。いつか彼等が発見され、我々もその姿を見る日が来るかもしれない。
( ̄ω ̄)


※サイクス教授の推測から描かれた雪男の想像画。雪男という類人猿ではなく、熊そのものである。

【本日のトリビア☆】
 雪男のようにポピュラーなUMAの中に『ビッグフット』が挙げられる。このビッグフットを撮影したとされる映像も存在し、様々に検証がされた。

( ̄ω ̄)b コレ☆

 ビッグフットはアメリカとカナダの山岳地帯に棲息する巨大な猿人であり、身長約2.3m、体重約200~350kgと推定された。上の写真のビッグフットが去ったあと、そこには長さ約45cmもの巨大な足跡が残されていたという。ビッグフットと呼ばれる所以である。
 だが後に日本の最新画像解析機によって解析した結果、映像のビッグフットの背中にある奇妙なものが発見された。それは何とファスナーの取っ手… つまりこの映像のビッグフットは着ぐるみだったのである。
 実は20年ほど前にもこの映像を検証した番組があり、
『映像のビッグフットは膝を常に曲げたまま歩いているため、中に人間が入っている可能性はない!』
 と断言されていた。番組ではビッグフットに見立てたゴリラの着ぐるみを着たスタッフに、わざと膝を曲げたまま歩くよう指示して実験を行い、確かに着ぐるみの中のスタッフは歩行中に膝が伸びてしまい、人間には真似できないとも断定した。
 余もこの番組を録画して何度も観たが、ハッキリ言って、着ぐるみのスタッフがわざと膝が伸びるようぎこちなく歩いていたのはあからさまであった。
 つまり、ビッグフットの映像は完全にインチキちゅーこと!
※ちなみに、ビッグフットの歩き方など誰にでもマネ出来る。
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