消費税法改正案の是非をめぐり、日本では小沢一郎が民主党を離党した。そして小沢グループと言われる議員52人も離党届を小沢一郎に預け、同時に離党し、新党を結成するという。
しかしその過程の混乱が滑稽だ。
3人の議員は一旦提出した離党届を撤回し、党内に残留するという。
その他にも、自分が離党したことをマスコミの取材で知った議員も。
どうも提出前に通達がなかったようで、有権者や支持者に事後報告になってしまうことを懸念しているようだ。
離党届を提出していない造反議員は党員資格停止2か月、鳩山元首相は元党首ということで党員停止6か月というより重い処分が下った。
それに対し鳩山元首相は、『他の者より重い処分は差別だ。これでは辞めろと言っているのと同じだ』と反発しているという。
党の決まりに反対しておいて、その処分に文句を言う、その精神は目を覆いたくなる。
この人が日本の首相であったことが信じられない。
首相時代には沖縄の基地問題を混乱させ、『首相をやめたら引退』と言っていたのに撤回、先日はイランに勝手に訪問し、『IAEAはダブルスタンダード』と言ったとか言わないとかイランにいいように利用されている。
残念なことに、これらのことは市民に選挙権のない独裁国家で起こっていることではない。
選挙で我々が投票し、選んだ人々の立ち振る舞いである。
自民党の政治にNOをつきつけ、民主党に政権交代させたのは他でもない我々である。
『国家の品格』という本に、『決して国民というのは成熟しない』とある。
現在、太平洋戦争を支持している人は比較的少ないと思うが、当時はほとんどの国民が支持していたのである。
情報統制が行われ、軍部が勝手にというが、それを支持していた国民の自己批判はあまり聞かない。
曲がりなりにも戦前も普通選挙が行われていた、民主国家であったのにである。
現在の政治の混乱は、我々国民の責任である。
現在のマスコミには、現在の政治に対する批判はあるが、その政権を選んだ国民に対する批判、マスコミに対する自己批判はない。
正確な情報を与えられなければ判断できないとの自己弁護もあろうが、戦前とは異なり現在はインターネットという無限の情報源がある中で、その言い訳は通用しにくい。
政治を変えるためには、我々がまず反省し、成熟する必要がある。
そのためには、情報を主体的に読み解いて、批判的に吟味し、有効に活用する能力(メディアリテラシー)を養う必要があると考えられる。
それは政治の話だけでなく、私がやっている、医療、研究にも通じることである。