全日本後に保留となったアイスダンスの世界選手権代表選考ですが、予想通り四大陸の結果で決めることになりました。個人的には「四大陸の結果を含めて総合的に判断」になるのかなと思っていたのですが、「四大陸最上位」なので揉める要素はゼロ。すっきり代表が決まりますね。

 

スケ連に対して「よくやった!」と称賛する声と「なぜ北京五輪選考で出来なかった?」という厳しい声の両方が聞かれます。

 

 

3組の実力に現時点でほとんど差がなく、国際大会の結果で選ぶことにした今回

 

2組の実力に差があるにも関わらず、国内大会(身内ジャッジ)の結果のみで選んだ北京五輪

 

 

この差はどこから生まれたのか。

 

「アイスダンスは強化部(アイスダンス担当)にお任せ」でなくなったのが大きいんじゃないかと思います。日本スケート連盟は長年男女シングルに偏った強化をしてきた。五輪に団体戦が出来たことでペアとアイスダンスも必要になったが1組ずついればOKという認識。シングルのように多くの選手を育てて試合に派遣し、その中から選ぶのではなく、最初から1組しか強化する気がない。かなクリの解散でその「1組」の座をつかんだのが小松原コレト組。強化部(アイスダンス担当)は五輪出場に必要なコレト選手の日本国籍の取得などあらゆる面でサポートした。本人たちも周囲も北京代表は当確だと思っていたはず。


そこに「かなだい」という想定外のライバルが出現し、結成2シーズン目で小松原組を大きく上回った。シーズンベストスコアの差は18点。アイスダンスでは逆転不可能な数字です。スケ連上層部も北京代表はかなだいで決まりだと思ったに違いありません。

 

ところが小松原組をサポートしてきた強化担当の五島さん一派はあきらめていなかった。全日本の採点を操作して小松原組を勝たせ(女優のナレーションなど不正採点を誤魔化す壮大な演出までつけて)、他の選考基準を無視して全日本優勝者を代表に選ぶべきと強硬に主張したのです。詳しくはこちら


スケ連全体として五輪代表に選びたかったのはかなだいだと思います。

 

団体戦の戦力

全日本終了時点のリズムダンスのパーソナルベストスコアはかなだい75点(小数点以下切り捨て)、小松原組68点。フリーはかなだい114点、小松原組104点戦力的に選ぶべきは誰がどう見てもかなだいの方。これだけ差があるのに低い方を選ぶ連盟は世界中どこを探しても日本以外にないでしょうね。

 

人気と話題性

高橋大輔は男子シングルの元世界王者で五輪メダリスト。そんな人がアイスダンスで五輪出場(団体メダルの可能性大)となれば話題性は抜群。プログラムも魅力的で、ISUもかなだいのソーランの動画を上げるなど大いに期待していました。かなだいを選べば五輪のフィギュアスケートはもっと盛り上がっていたはずです。

 

スケ連的には小松原組を選ぶメリットはゼロ。ただ、それまでアイスダンスは強化部のアイスダンス担当にお任せだったので最終的に彼らに従わざるを得なかったんじゃないかと思います。アイスダンスを軽視してきたつけですね。

 

五輪では日本チームは団体銅メダル(銀に繰り上がる可能性大)を獲得できましたが、小松原組は個人戦ではフリーダンスに進めず。国内評価だけ上げても国際評価は上がらないという当たり前のことが証明されました。

 

今回の代表選考は2年後のミラノ五輪を見据えたものだと思います。現時点では3組の実力に差はほとんどありませんし、どの組が選ばれたとしても世界選手権ではフリーダンス進出ボーダーラインになると思われます。ただ、ベテランの評価は過去3シーズン横這いか下がり気味。若手2組は上がることはあっても下がることはないでしょう。それならば出来れば若手を派遣して経験を積ませたいとスケ連が考えても不思議ではありません。

 

どちらにしてもこれはスケ連が「アイスダンスの強化を本気で考え始めた」証拠じゃないでしょうか。北京五輪選考については今でも許せませんが、これは一歩前進だと私は思います。

 

チャンスは平等。3組とも出来ればノーミスの演技で国際審判のジャッジを仰ぎたいですね。

 

 

 

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