こんにちは。

 

感染症の拡大が続き、観劇チケットを手にしても、

本当に無事に観られるのか、前日の夜までは不安になってしまいますね。

さて、オリンピックを時折観戦しつつも、たまきち退団の方が重大トピックなヅカオタです。

(「隊長。本当の戦場はここにあるのだよ…」と脳内のクロード・フロローがチケットを握りしめて呟いてくる。

あ、四季のノートルダムの鐘が来年横浜に戻ってくるみたいですね!めっちゃうれしい。通うぞ~)

 

観てきました。「桜嵐記/Dream Chaser」。

珠城りょうさんの退団公演です。

いや~・・・だいもんの退団もだいぶクるものがあったけど・・・

なんというか・・・「ひとつの時代が終わったな・・・」って感覚で・・・

そんでたまきち退団は・・・その感覚に追い打ちをかけるというか・・・・

スタッフロール後のエピローグさえも終わった感覚です・・・

 

で、観に行きまして。まず、めちゃくちゃ良かったです。

舞台の感想はネタバレまみれなので、以下はご理解の上、どうぞ。

 

 

 

●桜嵐記の感想

南北朝時代の動乱期の物語。珠城さん演じる楠木正行は、敗戦色濃い南朝側の武将。

(上田久美子先生は、『神々の土地』といい、滅びゆく側のヒーローが趣味なんだろうな・・・その中での儚い恋はブーストかかるわァ~僕も好きです!!!)

噂にたがわず、高いクオリティのエンタメ。みんな桜嵐記めっちゃ良いって言ってるの、納得。

上田先生の脚本と演出はほんと好きだな~~。先生のデビュー作『月雲の皇子』で主演を務めたたまきち、上田先生の作品で退団できて本望だろうな。スカステの演出家プリズムでも、めっちゃ尊敬してたもんな。

 

・各キャストについて

珠城さんは今までで一番かっこよく見えた。

この方、『BADDY』もめっちゃはまり役だったんだけど、魅力の本質は「品行方正、ガチの善人」ができるところ・・・だと個人的に思う。

嘘くさくないっていうか・・・若くしてトップになられて大変ご苦労されたと思うけど、今更ながら、主人公のカラーの人だから、抜擢されていったんだと思う。もちろんそれ以外もいろいろあると思うけど、一番はそれかなって。

 

美園さくらさんは、ヒロインの弁内侍。

一番最後のシーンの表情が印象的だった。悲しみとも違うような、何とも言えない表情で、正行の出陣を見守っていました。

 

月城さん、鳳月さんが珠城さんの弟役。

月城さん演じる楠木正儀は、最終的に正行から意志を託され、南北朝の和睦へ向けて働いていくという。個人的に、これくらいさらっとした「退団公演あるあるトップが2番手に託す展開」、よかったです。『食聖』とかの時思ったけど・・・あんまりクドいと、萌えるけど、ハッと現実に返されてお芝居として没入できないんですよね。萌えるけど。

月城さんの役は関西弁でして。春に退団された、彩凪翔さんが演じてもハマりそ~とか俗いことを思ってしまった。あ~・・「愛してんで」聞きてえなぁ。

ほんでな。鳳月さん演じる楠木正時ですが。正時は結婚していて、妻の百合とラブラブ夫婦なんですが。(上田先生、主人公カップルと対比させる構図好きね)

ゆ、百合~~~~!!!!!!

一番泣いた。戦場で、敵同士の家になってしまった百合を遠ざけ、その後どうなったか知るという。

いや・・・・!!!百合!!!お前が死んだら!正時が悲しむの分らんのかァ~~!!!と悲しみのあまり、恐れ多くも正時の親の気持ちになってしもうた。遠ざけられたとき、正時の「敵の娘いらね」って態度、そのまま受け取ったの!?素直すぎん!?お前を守るために決まってるやろ夫婦やのにそんなんもわからんのかァ~~!!!・・・と一番感情移入してやるせない気持ちになってしもうた。

あ、百合役のうみちゃんはめっちゃ美しかったです!私、伶美うららちゃん好きだったので・・・好き系統のお顔なのです・・・。

月城さん、海乃さん、トップおめでとうございます!美男美女のオーラすごい。ちょっと大人な恋愛の演目が見たいですね。

 

暁千星さんが後村上天皇、楠木の上司さんなのですが(上司て)、

父である後醍醐天皇の呪縛にとらわれ、戦争を止められない、で、正行に「友よ、許せ・・・」的なことを言うんですよね。

私の内なるクソオタクが顔を出し、「暁千星さんなら全部許しちゃうよ・・・」などとこれまた俗いことを思ってしまいました。

ここの二人の友情、もーちょい描写あるとよりグッドだったかな。

 

・脚本・演出について

『フライング・サパ』でやりたい放題(笑)、『fff』で初見の観客の頭上に?を浮かばせた、上田先生。

どっちも私はめっちゃ好きですけど(fffは2回目見てようやく「スッゲ~~~~(号泣・感動)」ってなった)、

最近えらい冒険してはるなぁ・・・と思っていました。

今作『桜嵐記』は、上田先生の根本的な宝塚へのこだわり<初見の人も楽しめる>という部分を手堅く作られてるなぁ、と思いました。これは宝塚初めての人にも全然おすすめできるなぁ。和もの好きな友人各位に布教したい。

『神々の土地』は、ロシア革命のあらまし・当時の勢力関係とかある程度分かってるよね!っていう前提で作られてたかなと。世界史に疎いと自称する友人などは、「最初の社交場での会話で関係性理解すんの無理すぎw」って言うてましたからね。

今作は、鎌倉幕府の討幕、北朝、南朝、それぞれ誰がトップ、武家社会か公家社会か、懇切丁寧に語ってくれましたよ。謎の翁がストーリーテラーとして朗々と語ってくれました。この翁が最終的に誰かっていう・・・ンッゴホォ、、、最後・・・泣いちゃう・・・・。

 

で、話自体も、ゴチャついてなくて分かりやすい。

主人公である正行のキャラがブレてないので、素直に安心して観られる。胸くそ悪いキャラいないし。みんな、自分の信念があって、それに基づいて行動してるんですよね。下衆キャラポジションの北朝の武家・高師直でさえ、ポリシーが一貫してるという。

 

で、特に最高~~~ってなった演出ポイントその1。正行の死→数十年後のシーン→ラスト・・・って流れなんですけど、

ラストがね、正行の出陣シーンなんですよ。

ここ、すごくないですか?宝塚のスタンダードな演出なら、なんかスモーク焚かれた桜が満開の空間で、白い着物着た正行と弁内侍が抱き合って接吻して空見上げてEND、でしょうよ。それが、『桜嵐記』では、現実世界・メイン時間軸のシーンで終わるのです。

で、なんでこのシーンであえて終わるかというと、ここが主人公・正行にとって人生の中で一番大事なシーンだから。

彼は動乱の南北朝時代において、何が正しいか・間違いかを迷い、命の使いみちを探していました。

父の姿を見て、後醍醐天皇の縛りを経て、弁内侍と出会い、ようやく答えに辿り着く。その答えに辿り着いたシーンというのが、まさにこの出陣シーンだと思います。

だから、上手いなあと思ったのが、出陣前に弁内侍との逢瀬という最高に盛り上がるラブシーン、からいきなり照明が変わって戦場のシーンになり、最後に出陣を持ってくるという流れ。美しいラブシーンからの、いきなりギラギラ赤い照明の戦場シーンだと、凄惨さが効果的に伝わるし、それぞれを際立たせるなと。で、一番の主人公の軸たる部分は最後!みたいな。天才かぁ~!?

上田先生の脚本に思うのが、単に武士が戦死して散る美しさとか結ばれない恋の儚さという描写にとどまらず、キャラクターが人間として精神的にひとつ上の高次に至る過程を1番重要視しているところ、ほんと好き。

 

最高ポイントその2。

正行と弁内侍の最後の逢瀬。その少し前のシーンで、桜、まだ咲いてなくて。上部からさみしい枝だけが見えるんですが。

この逢瀬のシーンは満開。で、しかも、舞台のサイドにまで、照明が投影されてて、記憶違いでなければミラーボールが光り、なんというか、”舞台を観賞する”においては見えづらささえ感じる演出でした。でも、そこが逆によくて。桜吹雪で目が眩むほど美しい、”生きる悦び”のひとときだった・・・っていう感覚を強めてくれるというか。

上田先生の作品は、重要なラブシーンで、絵面としての美しさを大事にしてらっしゃる気がします。『神々の土地』でドミトリーとイリナが雪が舞う雪原で上着脱いでダンスする場面を思い出しました。あれも、「いやww外ww上着脱ぐてwwドレスめっちゃ寒ww」っていうツッコミ上等で、絵面の美しさを優先しているのだと思います。

良かったな~~あのシーン見たさに桜嵐記もっかい見たいくらいです。

 

最高ポイントその3。

全編通じて、めっちゃ桜舞うところ。これでもかってくらい。戦場でも散ってる(最高)

2階席だったので、余計感じたのが、その撒かれまくった桜、ずっと舞台上の床に残るんですよ。

吉野の地が舞台で、その自然や季節の美しさが伝わってきて、上田先生の作品は毎回、キャラクターたちがどんな土地で生きているか伝わってくるのがいいんですよね~。

どうでもいいけど、ああいう疑似桜とか疑似雪とか散らして、盆が回るとき、隙間に入ったりせんのかな・・・といつも思う。わたしだけ?笑

 

まぁ特に思ったのがそんなところです。結論、『桜嵐記』最高やから全人類見て。宝塚初見の人も、見て。ってかんじ。

力尽きてきたので、ショーについては、特に印象的だったとこだけ。

月城さんのジャニーズライブ(?)は最高やった。ぶちあがった。あのシーン、タカスぺとかで宝塚精鋭イケメンズで見たい。てか紅5みたいなのまた出てきても良くない・・・?朝美さんセンターで。私が石油王だったらユニット組んでもらうため寄付するけど。全国の石油王のみなさんお願いします←?

 

 

 

ところで、今回劇場で思ったのが、昨今のコロナの勢いからか、びっくりするくらい劇場内静かだった。

去年の秋頃~今年春通じて、それなりに喋ってる人いたけど、今回はほとんど喋ってる人いなかった。それくらい今緊張感あるんだな・・・と。

で、ふと見ると、劇場内で「公演の継続のため会話はお控えください」的なこと書かれたカードをスタッフさんが持っていらっしゃる。

これはオタクを黙らせる最強のカードだな、と感心してしまったのでした。効果覿面。

 

ではこのへんで。