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もっと効率的に勉強する技術!

●かねてから勉強法に関する著作の多い、高島徹治さんの、「2007年バージョン」勉強法。
過去の本だと、「年齢」を絞ったり(「45歳から」&「50歳から」)、「資格取得」にこだわったり(実際に資格を80超取得されている)されていたのだが、本書は思いっきり真っ向勝負。
昨今の売れている勉強本のように、総花主義的なタイトルではある。

●果たしてその内容は、従来の著作とそれほど違いは無い模様。
「サラブレッド&ブル学習法」「頭出し記憶法」「九九式記憶法」等々、どこかで読んだ記憶が。
また、この方の特徴のひとつとして、「速読」にこだわっている節があり、本書でもその一端がうかがえる。

●「情報の重複」という点は、他に高島さんの本を持ってなければなんら問題ないことではある。
そして、勉強法の「戦術」という点では、コストパフォーマンスは高いと思う。
なお、あらかじめ対応が効くであろう資格試験とそうでない試験(司法試験、公認会計士試験等)を明記してあるのも良心的かと。

目次: 1章 達成スピードを上げる決め技!3倍速でゴールに近づく「目標設定法」
2章 「勉強量」をむやみに増やしても成果は出ない!「頭を整理」するだけで効率は劇的にアップする!
3章 どんな時間も使い倒す「非常識な方法」!使える時間が10倍増える「時間活用術」
4章 ゴミ知識に振り回されない!基礎を最短でマスターできる「教材&問題集の選び方・捨て方」
5章 「とりあえず暗記」は無駄だらけ!「3回転学習法」でスピード合格間違いナシ!
6章 参考書の精読は原則やめる!初心者のための一番簡単な「速読入門」
7章 重要ポイントだけ押さえておこう!知識を一気に整理する「マーキング&カード術」
8章 「大量の知識」を短時間でインプット!ラクラク覚えられる「高速記憶術」
9章 ココ一番に強くなるアイディア満載!試験に一発合格する人の考え方と行動習慣

文例集では書けない超速 ビジネス文書作成マニュアル

●主にマイクロソフトWordのアウトライン機能を用いて、ビジネス文書を「高速で」書き上げる手法を解説した一冊。
自分が日頃Excelオンリーで仕事をしており、Wordのことをほとんど知らなかったこともあるが、Wordにアウトライン機能が付いているというのは、ビックリだった(社会人失格)。

●本書のキモは、そのアウトライン機能を用いる事により、思考を階層的に整理し、それによって、効率的にビジネス文書を作成するところにある。
よって、対象となるのは、完全に書式が決まっているような文書ではなく、「考えをまとめながら書く」文書、つまり提案書や企画書、議事録等。
そしてこれらは、いずれもクリエイティビティが問われるものであり、ここで他人に秀でることは、出世にも繋がる可能性が大きいかと。

●本書は「Wordの使い方の本」ではなく、「美しい文章の書き方の本」でもなく、ましてや「文例集」でもない。
本書の目次に「思考を高速化するアウトラインという手法」という章があるが、まさにその通りだと思う。
パソコンを前に、なかなか文章が出てこない人にオススメ!

文例集では書けない超速 ビジネス文書作成マニュアル
日本能率協会マネジメントセンター
地蔵 重樹(著)
発売日:2006-11-29
おすすめ度:4.0
目次:
序章 文書作成の苦手意識をとりはらえ!
第1章 超速文書が驚くほど仕事を変える!
第2章 思考を高速化するアウトラインという手法
第3章 アウトライン機能の基本的な使い方
第4章 ビジネス文書でもルックスは重要
第5章 アウトラインで文書を作成してみる
第6章 プレゼンの達人はすでに使っていた!
第7章 さらに差がつく文書テクニック

[未読]手紙読本

●エッセイスト、江國滋 が選んだ手紙アンソロジー集。
アマゾンの内容紹介にはこうある。

礼状、借金の依頼、懇願、遺書から恋文まで・・・名文に潜む作家の素顔

夏目漱石の礼状、内田百の無心状、谷崎潤一郎の恋文、太宰治の懇願状、森鴎外の遺書・・・。
今は亡き文士たちが綴った手紙の数々から、ほんの一瞬、書き手が素顔をのぞかせる。
いまや失われつつある手紙文化の夢のあと。

●実はこのコピーを読んでアマゾンで注文し、今日届いたのだが、1点盲点が。
全編「旧仮名づかい」なのだ。
時代的に当たり前なのだろうが、これは素人にはちょっと読みにくい。

●内容的には大変興味があるので、できれば「新仮名づかい」で出しなおして欲しいところ。
手紙といってもただの人が書いたものではないわけで、クオリティが高いのはある意味当然。
このまま読まずにいたら後悔しそうではある・・・。

手紙読本 (ランダムハウス講談社 え 1-1)
ランダムハウス講談社
江國滋(選)(著)日本ペンクラブ(編集)
発売日:2007-06-30

ゲームニクスとは何か

●ゲームクリエーター、サイトウ アキヒロさんの、自論『ゲームニクス』の解説書。
とはいえ、新書である以上、堅苦しい表現は皆無。
良く知られるヒット商品の裏に、ゲームニクス的思考が存在している事を証明している。

●そのゲームニクスの原則は4つ。

1.直感的なユーザー・インターフェイス
2.マニュアルなしでルールを理解してもらう
3.はまる演出と段階的な学習効果
4.ゲームの外部化
(詳細は本書で)

●言われてみると、確かにヒットするものに共通している点があるのは事実。
特に、iPodやWii、DSの成功において、ユーザー・インターフェイスが大きな比重をしめているのは確かだ。
そう言えば、iPhoneもそのユーザー・インターフェイスに最大の特徴がある。

●逆に、本書にあるように、銀行のATMのインターフェイスは最悪(笑)。
というか、そういう思考すらないような。
ここら辺にビジネスのネタが隠れていそうな予感。

目次:
はじめに ゲームニクスとは何か
第1章 なぜ、子供は食事を忘れるほどゲームに夢中になるのか?
第2章 ゲームニクス理論―総論
第3章 “任天堂一人勝ち”から分かること
第4章 iPod、グーグル、ミクシィ…本当のヒットの理由は?
第5章 ゲームニクスが医療・福祉・教育分野を救う
第6章 ゲームニクスが日本の未来を明るくする
おわりに 日本のもてなしの文化を見直すこと

自分のブログについて考えてみる

●昨日あたりから他の著名ブログで、大変興味深いエントリが立て続けにアップされている。

どんな風に書いたところで、あなたのよう書けるのはあなただけ(小飼 弾さん)

一日の記事量が10件いかないとネタフルさんのようにはならないんだよ(ホームページを作る人のネタ帳さん)

ジャンルを絞って書かないとホームページを作る人のネタ帳さんのようにはならないんだよ(ネタフルさん)

自分はあまり思うところもなく書き続けていたので、ちょっと顧みることにした。

●小飼さん曰く

実は、一番簡単なのは、気に入った書き手をきちんと真似すること。この真似というのは、記事の単純なコピペ、ではもちろんない。その書き手になったつもりで、その書き手がまだ書いていないことを書いてみる。そうやっているうちに、いやでもあなたはその書き手ではない別の誰かであることに気がつかされる。

個人的には、書評ブロガーとして、マークさせていただいている小飼さん。
ただ、真似るなんぞおこがましいので、「書評ブログなのに1日複数回投稿」という部分だけ、参考にさせていただいている。

●実際、書評ブログは数多くあれど、私が知っている限り、1日に2回以上投稿されているのは、小飼さんくらいだと思う(ちゃんと調べてませんが(汗))。
自分も朝晩2回投稿するつもりで始めたのだが、最近はネタが続かない。
それに、そもそも小飼さんとは読書スピードが違いすぎる(笑)。

●次にホームページを作る人のネタ帳さんから。

もしもアクセスがほしいと思うなら、まずはじっくりとジャンルを絞り、そのジャンルに特化したブログを作るほうがはるかに楽です。
毎日10件以上の記事を書けるならノンジャンルのほうがお勧めですけど、ジャンルの幅は更新回数をこなせるライフスタイルと相談して決めたほうがいいですね。

小飼さんや、橋大也さんは別として、基本的に書評ブログ、特にビジネス書はアクセスが集めにくいという話を聞いたことがある。
第一、本自体が「1万部でヒット」と言われる世界だ。
マンガや一般書に比べると、はるかにニーズは少ない。
この辺は、アクセスをとるか、ニーズの深さをとるか、という問題になってくるのだと思う。

●このブログでアマゾンで本がほとんど売れてないところをみると(?)、まだ深さにも問題があると思われ。
もっとも、こんなメモ書き程度のブログ経由で1冊でも売れている方が奇跡かもしれないが(爆)。

●そしてネタフルさんから。

ジャンル・ノンジャンルということでふと考えてみると、2003年頃からブログを書いている知り合いには、ほとんどジャンルらしいジャンルが設定されているブログがないことに気づきました。

これは自分にとっては盲点だった。
書評ブログを中心にチェックしていたからかもしれないが、ノンジャンルで、投稿回数がネタフルさんレベルまで行かなくとも、かなりのアクセスが集まるものなのだと知り、ちょっとビックリ。
ケータイから投稿する「日記ブログ」と、ある意味先行者である有力ブロガーに意外な共通点が(笑)。

●そしてパワーブロガー(?)、smooth氏の記事『「書評ブログ」について考えてみました』から。

集客のためにSEOは意識しても、一旦お越し願ったら、そのままお気に入りorRSSリーダーに登録してもらえるよう努力するべきではないでしょうか?

まだまだ左サイドバーに設置したライブドアリーダーの登録数も少なめ。
もっと頑張らねば!!
上記の記事で小飼さん曰く

そうして「書き抜き」続けてけば、半年とかあっという魔ですヨ。

まずは半年・・・ですか(汗)?

DIME (ダイム) 2007年 9/4号

●日経新聞の広告を見て、久しぶりに、雑誌DIMEを購入。
お目当てはもちろん、コレ。

4×3のパターンで効果絶大! 休暇前にパパッとやれる!!
「デキる男は机がキレイ」と言わせるためのデスクトップ「最新」整理&ファイリング術~紙もメディアも一気に片付ける!~


なるほど、カラフルなグッズ&ツールを用いた、楽しげな書類整理術が展開されていた。

●ただし、この特集、一応トップ特集なのだが、8ページほどしかない。
そこだけがお目当てだと、ちょっと寂しいかも。
個人的には、知らないアイテムがあったこと以上に、ファイルがわざと(?)多色使いされていて、目の保養になった(笑)。

●また特集の他にも、おもしろいネタや、日経産業新聞でもまだ見てない新製品が色々あって、勉強になった。
自分が日頃日経新聞とネットしか情報収集源がないため、たまには雑誌を見るのもいいものだな、と実感。
とりあえずライフハック好きなら、まず上記の特集をチェックすべきだが(笑)。

イヤでも売れる露出力

コンセプトグラマー 代表の曽和裕次さんの、「PR、マーケティング、ブランディング」等々の内容を詰め込んだ「露出」本(笑)。
企業ブランドをあげ、営業力を高めるには、顧客に知ってもらうこと、ゆえに「露出力」が重要であると、本書では主張されている。
これには同意。

●先日の、『目立つ技術』 が接近戦なら、本書の内容はある意味「総力戦」(笑)。
アナログな口コミレベルから、プレスリリース、さらにはインターネットまで駆使して、「露出」するためのノウハウについて書かれている。

●ただ、その分、一つ一つの手法に若干掘り下げ方が足りなかったり、他書の内容と重複している部分もあるが、とりあえずゼロから始める場合には、本書のように羅列タイプの方が漏れがないかもしれない。
自分のようにこの手の本を読み漁っていると、真新しい内容というのはほとんどなかったりするのだが(汗)。

●一点、目からウロコだったのが、「タブ付きの名刺」
目立たせる名刺のアイデアは数多くあれど、コレは最強かもしれない(実物は本書をご覧アレ)。
「意匠登録を申請中」とのことで、商品化が待たれる。

イヤでも売れる露出力
ゴマブックス
発売日:2007-07-13
おすすめ度:5.0

目次:
第1章 なぜ「露出」が大切なのか?
第2章 何を、どう「露出」するのか?
第3章 実は、すぐにできるマスコミ露出戦術
第4章 低コストでもイケる、インターネット露出戦術
第5章 口コミに有効な「独自メディア」で露出する
第6章 露出したブランドをマネジメントする

「物語力」で人を動かせ!

オーマイニュース 編集次長の平野日出木さんのライティング指南本。
本書が出た時点では、まだその職に就く前であり、手際の悪い対応 のレベルと、本書のクオリティを同じ次元で論じるのはちょっとかわいそうではある。

●果たして本書は、新聞記者の間では半ばシステム化されているらしい(?)、「物語的な」文章の書き方をノウハウとして伝授してくれている。
スピーチをしたり、面接を受けたりする人なら、読んで損はない内容。
また、Webショップ運営をされる方なら、こだわり等を「物語で」伝えることができれば、コンバージョンレートも高くなるかも。

●本書にあったことに、陪審員制度を用いている米国では、弁護士が「物語力」のコンサルティングを受けたりセミナーに参加しているとか。
相手が論理的思考でない場合に、論理はなんと無力なことか。
やはり、人を動かすには、「説得」ではなく「共感」なのだろう。

●なお、本書の最後には、あの有名なスティーブ・ジョブズのスタンフォード大学卒業祝賀スピーチの解説もアリ。
地味な作りの本だが、人の上に立つ人なら必読かと。

オススメ!

目次:
1章 これが論理を超える「物語」の説得力!―なぜ、いま「物語力」が必要なのか
2章 「言いたいこと」を「物語形式」にするテクニック―ストーリーの「基本要素」をつかむ
3章 こんな「ストーリー展開」が、人の心をつかむ!―新聞・雑誌の「物語記事」に学ぶ
4章 実践 「物語法」をプレゼンに生かす!―「ビジネス物語」の作り方
5章 ビジネスリーダーのための「物語」活用法―自分自身を「物語」の中に埋め込む
6章 企画、営業、マネジメント 「物語」はこう生かせ!―達人に学ぶ「ビジョン」の伝え方
7章 「物語的な仕事」ができる人の共通点―仕事が面白くなる!成果も上がる!

噂の拡がり方

●北陸先端科学技術大学院大学准教授である林 幸雄 さんのネットワーク理論に関する本。
身近な例から、専門的な例まで、今はやりの(?)ネットワーク理論について言及がなされている。

●この手の本に興味のある方なら、『新ネットワーク思考』『複雑な世界、単純な法則』『スモールワールド・ネットワーク』 は、既にお読みだと思う。
これらをあらかた読んだ上で、なお本書を読む必要があるかどうかは、正直微妙。
ただし、日本独自の事例として、「口裂け女」や「ドラえもん最終回」などの都市伝説や、さらには江戸時代の口コミュニケーションについて検証がなされており、ここは他書では読むことができない。

●なお、前半の事例部分は「新書チック」な読みやすさなのに、後半の専門的な部分は、かなり難しい(汗)。
書店で吟味する際に、どちらかだけを見て判断するとちょっと危険かも。
単行本だけあって、単なる「うんちく」レベルで終わっていないのは好感が持てるが、専門的な部分をもっとわかりやすく掘り下げてもらえるか、独自のメッセージのようなものがあると良かったと思う。
そうしないと、書評ブロガーとしては、オススメどころに迷ってしまうので・・・(汗)。

目次:
第1章 世間は意外と狭い!
第2章 噂はどのように広がるのか?
第3章 時空を越える伝達メディア
第4章 インターネットの威力
第5章 蔓延するウイルス
第6章 世界的交通網の拡大がもたらすもの
第7章 ネットワーク科学からのメッセージ

ダサいオヤジは「暴力的存在」である

●サンリッツ株式会社取締役、松尾智子さんのダサいオヤジ連中に対する強烈なお小言の一冊。
松尾さんご自身は私と同世代だが、若い世代を含め、おそらく女性はみな、松尾さんと同じような感想を「オヤジ」連中には持っていると思われる。
部下がいる世代の男性なら、一応目を通しておく必要はあるかと。

●本書のメインとなるのはやはり身だしなみの部分。
特に、「臭い」に対する論点については、私も同感。
もっとも、自分自身もすでに加齢臭が気になるお年頃ではあるが(汗)。

●ファッションについても結構突っ込んだ内容が書かれているものの、正直、臭いの部分で引っかかっている男性に、ファッション講義をしても、わかってもらえるのかどうか。
また、「昔はお洒落だったのに子供が出来てたるんできた」のか、「初めからお洒落なんかしたことない」のかで、スタートからして違う可能性も。

●1点だけ気になったのが、ジャケットのボタンを留めるか否か。
本書によると、立っているか座っているかに関わらず、留めるほうが良いとされている。
ポロシャツ等のプルオーバーを着た際には、すそはパンツの中に入れないのが普通だが、その場合、立っていても座っていてもジャケットのボタンを留めない方がスマートな気がしている。

●あ、あと、細かいけれどももう1点。
「ネクタイのシミはみっともないから、マメにクリーニングに出すように」と書かれているが、確かネクタイは1回でもクリーニングに出すと、ふっくらとした感触がなくなってしまうハズ。
シミをつけていてもいい、というのではなく、「1回でもクリーニングに出したら、そのネクタイはアウト」のつもりで、大事に使いまわすのが必要なのではないか、と。

目次:
1章 ダサいオヤジは「暴力的存在」である
2章 「外見」が変われば、「仕事」も変わる
3章 日本人の美しさは、「モラル」と「立ち居振る舞い」にある
4章 「できる外見」養成講座