シーサイドからジーザス | ブルブルシェンコのブルブリズム

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GROOVETUBE FES. '18

 

[日時] 2018年5月12日(土)10:00

[会場] 横芝屋形海岸 (千葉県山武郡横芝光町)

[出演] 曽我部恵一, NEIL AND IRAIZA, Negicco, The Wisely Brothers, sugar plant, Cobalt boy, SUGIURUMN, YODA

 

 

先週、千葉県の九十九里浜で開催された音楽フェス『GROOVETUBE FES. '18』を観に行きました。

北海道から約2年ぶりの遠征でした。

 

なぜ遠征を決意したかというと、まずはNegicco(ネギッコ)とThe Wisely Brothers(ワイズリーブラザーズ)が揃って出演するということ。

Negiccoに関しては2016年7月のNHKホールワンマン以来生で観ておらず、ネギ不足がピークレベルだったこと。

野外しかも海岸で、それも規模が小さく近距離で観ることができるということ。

おまけに一組あたりの持ち時間が長いこと。

それらの要素がこのフェスは魅力的だ、観に行くべきだと私の背中を押し、準備もできたので遠征を決意しました。

 

会場は九十九里浜の屋形海岸。

成田に前泊したのですが、成田からこんなに遠いとは。

のどかな田園風景が良かったし、埴輪推しの通りが面白かったです。

 

初夏の陽気というか、道民の私にとっては真夏のような気候のフェス日和。

青空に潮の香りがとても良い雰囲気。

 

 

会場近くのビーチ。

こんなザ・ビーチに来たのはいつぶりだろうか。

 

 

ハンドメイドなステージ、その両サイドにローカル色の強い露店が並び、ライブを観るのは中央の広場(原っぱ)。

広場の後方には家族で来ているお客さんがレジャーシートを敷いてのんびり。

さらに奥はビーチで、ステージ側からは海が見えます。

 

オープニングではMCのハローチーターさんのナイスな掴みがあり、さらに1組目に登場したCobalt boyが心地良いロックを奏でており。

この時点でこれは間違いなく良いイベントだと確信しました。

 

2組目は曽我部恵一さん。

私はサニーデイ・サービスの名盤『DANCE TO YOU』新規でもあるので、曽我部さんの弾き語りもかなり楽しみにしておりました。

「I'm a boy」「セツナ」が聴けて感動。

一人なのに物凄い存在感で格好良かったです。

 

 

3組目はThe Wisely Brothers。

片寄明人(GREAT3, Chocolat & Akito)さんがプロデュースしていることがきっかけで知り好きになった、昨年の一番の出会いと言っても過言ではないアーティストです。

特に最新のメジャーデビューフルアルバム『YAK』はサウンドや創造性が豊かで素晴らしく、今年の個人的なベスト5に入りそうなほど好きな作品です。

生でライブを観るのは念願だったので、サウンドチェックの段階から最前エリアで観ておりました。

サウンドチェックの様子を観ることができるのは、こういうイベントの醍醐味の一つですよね。

 

 

1曲目は「メイプルカナダ」。

じっくりと長いイントロから晴子さんが歌い出した瞬間の温度感、雰囲気がすごく良くて。

媒体を通して感じていた魅力を生で体感できていることに感激しておりました。

シーサイドでシーサイドからジーザスが聴けて最高でした。

次いで「キキララ」。

『YAK』の中でもイントロから疾走感が格好良く、聴いていてウキウキな気分になる大好きな曲。

良い3ピースバンドは楽曲自体も演奏も編成の小ささを感じさせないのですが、ワイズリーもまさにそうだなと思います。

 

 

MCでは、このフェスには2回目の出演だけど、最初に出演予定だった年は雨で中止になってしまったので実は3回目なんです、みたいな話題から。

3人で同じ海に何度も来ることはほとんどないけど、ここは3回も来ているから“人生の海”だという話をされてました。

楽曲でもそうですが、こういうトークでもユニークな表現をする晴子さんが好きです。

 

そんな話から、海がテーマということで「マーメイド」。

そしてワイズリーの表現の面白さが顕著に現れている「彼女のこと」。

さらに「マリソン」「MOUNTAINS」と穏やかなグッドミュージックが続きます。

 

存在感のあるレスポールを弾きながら、時に軽やかに時に絞り出すように歌う晴子さん、いつもニコニコでベースを奏でる泉さん、しっかりとタイトなドラムで支える朱音さん。

その3人のバランス、3人が作り出す楽しげな雰囲気がキラキラしまくっていて最高なんです。

晴子さんのキュートでユニークな歌声と、泉さん朱音さんのコーラス、そのバランスも魅力的。

加えて、これはもしかしたら失礼なのかもしれませんが、少しおっちょこちょいで完璧でない所も、人間的な魅力があって好きだったりします。

この日は晴子さんのギターが電気系統の不良なのか、エフェクターを入れたときにノイズが入ってしまい苦労していましたが、演奏自体は良かったですし、彼女達のキャラクターもあってアクシデントもそれほど気にならなかったです。

 

海の向こうのミュージシャン、Frankie Cosmosへの手紙がテーマの「The Letter」は、導入の語りから面白い構成の曲なのですが、この曲のライブパフォーマンスが非常に格好良かったです。

こんなにライブで映える曲だとは。

「サウザンド・ビネガー」を挟み、ラストは「庭をでて」。

向かい合って楽しそうに奏でる彼女達を観ていたら、涙腺が緩みました。

最高の瞬間を観ることができると、最高の瞬間に立ち会えると、涙が出てくるものなのだなと。

大袈裟かもしれませんが、本当に素晴らしかったし、生で観て改めてワイズリーの音楽性が好きだと思いました。

 

 

 

4組目はNegicco。

Negiccoは公式グッズの「ネギライト」をファンが振りつつライブを観るのが定番なのですが、今回はライブ前に横芝光町名物の「ひかりねぎ」を露店の方が売っていて、それをネギライト代わりに振る方も多くいらっしゃいました。

サウンドチェックで出てきたNegiccoは、「カリプソ娘に花束を」のブルーのワンピース風の衣裳で登場。

「本日がスペシャル!」をフルコーラスで。

 

 

「楽曲のクオリティが最も高いアイドル」との嬉しい紹介を受けて、「Make Up Prelude」が流れ、いよいよNegiccoのライブがスタート。

久々に観るドキドキの中、1曲目は「アイドルばかり聴かないで」。

これはいきなり予想外でした。でも良いチョイス。

Negiccoの楽曲では最も有名なシングル曲の一つですがライブの定番曲ではなく、初見のお客さんが多かったりインパクトを与えたい場合に演る印象があるので。

エッジの効いた歌詞、“ざんねーん!!”のインパクトはやはり強いです。

次いで定番の「トリプル! WONDERLAND」。

最高の掴みの2曲でした。

 

MCではNegiccoと九十九里の縁について触れていました。

Kaedeさんはサニーデイ・サービス「苺畑でつかまえて」のミュージックビデオに出演。

 

 

Meguさんはさよならポニーテール「夏の魔法 feat. 曽我部恵一 + ザ・なつやすみバンド」のミュージックビデオに出演。

 

 

九十九里だけでなく曽我部さんとの繋がりでもありますね、両曲とも。

Nao☆さんだけ無いことについては「拗ねてませんよ!」と。

新潟在住で活動しているという話題でも、Nao☆さんが「実家暮らし、家在住です」から「家ーイ!」と緩く煽っていて、最高だなと思いました。

 

MC明けは4thアルバムに収録予定の新曲「スマホに写らない」。

思い出野郎Aチーム提供の楽曲です。

ライブを観るのが久々で、新曲を聴けるかもしれないという思考に至らず。

期せずして初めて聴きましたが、かなり好印象でした。

すぐに口ずさみたくなるキャッチーなサビ、厚いホーンセクションとベースが肝になっている楽曲。

今後のNegiccoのライブの幅が更に広がりそうです。

 

次いで「カリプソ娘に花束を」。

こちらはライブパフォーマンスを初めて観ましたが、振付がキュートで楽曲の和やかさに合っていて好きです。

落ちサビのNao☆さんの歌唱が音源を超えていてすごく良かったです。

さらに聴きたかった「サンシャイン日本海」。

屋外が似合う曲ですし、この曲を海岸で聴きたいという願望がありましたので、太平洋ではありますがそれが叶って嬉しかったです。

とてもブリージンでした。

 

 

開催前の主催者さんのツイートで演るだろうなと楽しみにしていた「圧倒的なスタイル」。

やはりシンプルに良い曲。<NEGiBAND ver.>最高。

間奏の8小節では、太平洋を背に恒例のラインダンス。

当初私はこんなにNegiccoファンが集まると思っていなかったので、初めての方も含めてラインダンスの予想以上の規模に驚きました。

最後は「ねぇバーディア」「さよならMusic」という鉄板の2曲。

鮮やかで素晴らしかったです。

 

 

久々に生で観たNegiccoですが、何か忘れかけていたものを思い出させてくれたような感覚になりました。

8曲、約40分というボリュームで、音楽の質の高さを感じられましたし、ユーモアもあって親しみやすく、それでいてきちんと品があるという、アイドルとしての彼女達の素晴らしさを改めて感じました。

不安定さも時々ありますが基本的な上手さと声の良さがあるし、3人のパフォーマンスがバチッと完璧に噛み合ったときは心を奪われる感動があります。

 

この日印象的だったのがKaedeさん。

以前よりステージで堂々としていたというか、余裕を感じました。

先月のワンマンライブ『世田谷コンサート』で自らのピアノ伴奏で「愛は光」を歌ったそうなので、それを経験したからなのか強さを感じました。

それから最近媒体を通して声の、特に高音のコントロールに苦労している印象があるMeguさん。

「ねぇバーディア」のサビの3つのソロパートを Kaede→Megu→Nao☆ から Kaede→Nao☆→Nao☆ に変えていて、良い判断だなと思いました。

これからもパートや配分にこだわらず柔軟にやっていってほしいです。

そしてMeguさんが今の状況を少しでも早く打開できるよう願っております。

 

 

その後も、Negicco「マジックみたいなミュージック」でもお馴染みのYURINA(Magic, Drums & Love)さんがドラムで参加しているNEIL AND IRAIZA、そしてチルミュージックが夕日とマッチして心地良かったsugar plantとライブパートを鑑賞して、帰道のリミットが来たため会場を後にしました。

DJまでは観られませんでしたが、アーティストのラインナップが素晴らしかったし、全アーティストのパフォーマンスも素晴らしくて。

ステージ、露店、会場のロケーション、お客さんの雰囲気も良くて、『GROOVETUBE FES.』は期待以上に素晴らしいフェスでした。

北海道からの遠征はぶっちゃけかなりの労力がいるんだけど(笑)、思い切って遠征して本当に良かったです。

 

(感激の瞬間。)

 

 

 

---- SET LIST ----

 

<The Wisely Brothers>

 

1. メイプルカナダ

2. キキララ

 

3. マーメイド

4. 彼女のこと

5. マリソン

6. MOUNTAINS

 

7. The Letter

8. サウザンド・ビネガー

 

9. 庭をでて

 

<Negicco>

 

1. アイドルばかり聴かないで

2. トリプル! WONDERLAND

 

3. スマホに写らない

4. カリプソ娘に花束を

5. サンシャイン日本海

 

6. 圧倒的なスタイル (short)

7. ねぇバーディア

8. さよならMusic