昭和ノスタルジーという。
昭和も50年以降の生まれは、昭和は小学生時代までで終わっているわけだから、ノスタルジーもクソも感じまい。
私は昭和37年生まれである。
昭和の暗黒時代を超えた時期を謳歌出来たと言えよう。それは全くの運でしかないが、とても満足している。
昭和に流行った歌謡曲は興味の低い演歌でさえも歌詞を覚えている。それだけ耳に入って来た時代。
今は便利なことに、『あの歌なんだったっけ?』と思い出して朧気なキーワードでググると、たいていのものが詳しい説明として表示され、動画まで提示されたりする。
私は小学生から中学にあがる頃、荒井由実の『あの日に帰りたい』で衝撃を受けた。
それまでに歌謡曲には無かったメロディ。
小6では分からないが中1だと分かった気がした。
荒井由実の曲調が西洋音楽の定型のコード進行や和音や音階の法則を破った独特のものと随分後になって知り腑に落ちたが、中1ではなんとなく他とは違うしか分からず、だけどクセになるしイヤじゃなかった。
荒井由実の『晩夏』も『あの日に帰りたい』と双璧を成すほど衝撃的だった。
それが『晩夏』という曲だと知ったのはごく最近である。
その昔NHKでは21時40分から『銀河テレビ小説』という連ドラを月ー金で放送していた。
『晩夏』はそのどれかの主題歌だったような記憶だけが残っていたが、グーグルのお陰で動画までたどり着いた。
『晩夏』は実に物悲しく刹那的でひんやりとする歌である。
晩夏を主題歌としたドラマは1976年放送だった。
私は中2で、声変わりをして、初めてSEXのことを知り、好みじゃない女子の告白を受けて1週間だけ付き合って捨てた。
銀河テレビ小説は今思えば朝ドラよりもクセ強な作品が多くて、中2はそれを視るよりも勉強すべき時間だった。
わらの女、隣の芝生などが思い浮かぶが、どちらも1976ー1977に放送していたようで、その頃に勉強そっちのけで視ていたということだ。
勉強そっちのけと言えば当時文庫本に目覚めて角川文庫を熱心に読んでいた。
森村桂、源氏鷄太、小林信彦、
今はどれも絶版で古書での入手もほぼ絶望的。
とりとめがなくなったので終わるが、
『晩夏』はユーミンじゃなく荒井由実の傑作だから聴くべし。