新潮クレストスト・ブックスの定評ある美しい装丁の一冊。1970年代に中国を吹き荒れた、文革の嵐。そこを生きた2人の少女を描く美しくも悲しい一篇です。階級闘争から「労改」(労働改造農場)に送られてしまう大学教授の母を持つ少女、蓮(リエン)は多感な少女で知的好奇心もいっぱい。でも知的階層は自己批判を強要され、学校で学ぶことといったら、革命のプロパガンダばかり。そんな蓮が母に連れられて「労改」で収容されている大人(かつての大学教授など知識階級)から少しづ学び取ってゆく学問の魅力。それを共有することのできない蓮は、「労改」の睡蓮の池 の蛙や虫たちに話し聞かせる。そうして慰めを得る蓮には、最下層の階級に属する金という無二の親友がいた。しかし二人の友情も文革に翻弄され、やがて悲劇的な結末に......
思いテーマをユーモアと柔らかな文章でつづる少女の成長物語です。それにしてもやっぱクレスト・ブックス、装丁の造りがしゃれていて500ページ超の作品ですが軽やかで心理的にも負担感を感じさせませんね。
- ルル・ワン, 鴻巣 友季子
- 睡蓮の教室











