仕事のやり方を変える | ALS記

ALS記

2023年2月13日に診断されて、現在進行中。とりあえず仕事は続けています。進行がとても遅い症例のようで、その状況を記録して発信していこうと考えています。

 編集者をやっていた中で、高速のタイピングができるようになった。大体で60秒100文字くらい。そのため、頭で考えたことが入力内容に直結していた。思いつくままに数千字書き殴って、そこからとりまとめていくという力技であれこれ業務を行なっていた……というのが今にして思う自分のスタイルだった。何も考えずに自動で文字入力できていた頃が懐かしい。

 

 現在の状況では、左手部分で指が思うように動かない。恐らく60秒で50文字程度だろう。どのように指を動かすかをどうしても頭の片隅に置いておかなければならないし、誤入力の多さに辟易してしまう。

 

 特に最初に問題になったのは、左親指でスペースバーを叩く癖だった。無理矢理動かしていたら、第一と第二関節が腫れて痛みも出てきた。これは、右親指に切り替えるように慣らして何とか解決。

 

 タッチタイピングでの左手範囲は意外と重要で、A/E/S/R/T/Gとローマ字入力で多用するものがある。特に小指は、Z/Aがあるので難儀した。ずっと連続で入力していると指がもつれてくるのも厄介。

 

 これに対応するため、入力速度を諦めるという方法を取った。滑るように入力することをやめれば、パンタグラフのキーボードでもZ/Aは押せる。

 

 ただそうなると、熟慮して入力文を吟味して時間をかけて入力するというフローの構築が必須となる。「とりあえず思いつくまま書いて削ればいい」という手法に馴染んでいたから、ここにはかなり苦労している。とはいえ「思うように入力できない」という苦手意識を持つよりは「自分なりの方法で入力が続けられる」という前向きな意識にしなければ業務は継続できない。この方法に慣れていくためにも、ある程度休憩しつつもキーボードに向かっていこうと思う。

 

 音声入力も試しているのだけど。やはり文面にしないと気づかない矛盾・齟齬があるのも確かで、発声を経ての文章はかなり違和感がある。また誤変換も多発するため、追加点を思い出しつつ修正するのには今のところ苦戦している状態。慣れて効率が上げるべきだろうけど、最終的には発声もできなくなると考えると躊躇ってしまう。