究極の女社会 働き蜂の仕事と一生 | イタリア発ハチミツづくり 養蜂の世界と日本の田舎暮らし

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サーフィン好きのイタリア人夫とのハチミツづくり、
養蜂の世界と日本の田舎暮らし生活を綴ります。


こんにちは。
今日は、ミツバチの社会の成り立ち、働き蜂の一生についてです。

初回でお伝えしましたが、働き蜂は全員メスで、オスは何もしないお荷物(男性陣、失礼^^;)だと。。

ミツバチの巣の中は、
ローヤルゼリーを食べてファミリーの子孫繁栄を産卵により一手に担う一匹の女王蜂、
ファミリーを育て、エサを探しに出かけ、女王蜂を養い、巣を掃除し、守る、
巣内全ての仕事を分業している働き蜂が数万匹
そして何もしない数十匹のオス蜂
という構成で成り立っています。(繁殖期の夏について、冬はまた違います)

こちら↓の可愛いイラストで働きバチの一生の仕事を見て行きましょう。


説明しますと、
①~⑦が21日間の羽化期で、21日目に働き蜂として誕生します(図A)。
誕生後すぐに仕事が待っていて、課される任務は羽化中の赤ん坊(幼虫)のお世話です。
エサをやり、温め、掃除をしと、乳母の役割をします(図B:誕生後10日間)。
女王蜂と生まれたての幼虫に与えるローヤルゼリーを分泌するのも乳母の役割。
女王蜂は毎日1000~2000もの卵を産むので、休んでいる暇はありません。

11日目頃からは別の仕事が待っており、乳母の役目は終了、後輩にバトンタッチです。

次の任務は、幼虫が育つ部屋(6角形の巣房)作りです。(図C)
この巣房は養育部屋だけではなく、花粉や蜜の貯蔵箱、ハチミツの生産現場にもなる
大事なミツバチの生活基盤です。清潔に保つため、掃除係もします。

次に、巣に持ち込まれた花粉や蜜を扱う貯蔵、乾燥係になります(図D)

そして、20日を過ぎたころ、働き蜂の年齢としては中年になっていますが、
初めて巣の外に出て行き、花粉や花蜜を採取して巣に持ち帰る食糧調達係になります。(図E‐F )
巣の外は危険もいっぱい、中年になるまでミツバチなりに様々な経験と情報を集めて
一人前になったところで外に出て行くわけですね。

また、採蜜飛行をする傍ら、巣を外敵から守る守衛もします。(16~24日目)

25日目以降はエサの採取に注力し、それぞれの寿命を迎えご臨終・・

となり一生を終えます。(図G)

いかがでしたしょうか、良くできた分業システムですよね。
これを巣内の数万匹の働き蜂たちが皆せっせと
自分の役割を全うするべく毎日働いているのです。
ちなみにオス蜂は食べさせてもらっていながら、後は巣の中をブラブラ、
一切お手伝いはしません


トップにいる女王蜂は産卵に集中、それぞれの仕事に口出しはしないようです。
というかその暇がない。。
各担当にリーダー的存在がいるわけでもなく、日々の営みの中で社会情報伝達が
スムーズに行われ、30日前後で世代交代を続けていく、その歯車は夏の間中、回転します。

人間の営みも大きな宇宙から見たら、そんな風に見えるのでしょうか。。
子孫繁栄という観点では、確かに誰からの指示でもなく、世代交代は自然の流れとなっていますから。

また、面白い研究をしている大学教授がいて、
アリをサンプルに社会性昆虫(蜂を含む)の生態を見ると、働きアリの中にも必ず、
働かない(できない)族がいるのだそうで、逆に皆が精鋭ばかりの群ではうまくいかないのだとか。

全体を見ると、働かないグループと共存する許容性があるほうが、
組織としての生産性は高いのだ、と言っている記事を読みました。
人間の会社組織にも当てはまるのかもしれませんね。

尚、働き蜂は24時間働いているわけではなく、シフト交替で1匹は6~8時間労働
なのだそうです。仕事をしていない時は巣の中をブラブラ、お休みモードだそうです。
面白いですね^^

今日は働き蜂にスポットを当てました。

次回は、ミツバチの冬の行動と、オス蜂について書きたいと思います。

それでは、また来週。

CIAO CIAO!