雨詩 烏 -4ページ目
4月が来る
「変」の月であり季節
せっせと準備をしようと
しようと
しようと
心臓が重く呼吸が浅くなる
変化に対するアレルギーは
花粉とともにやってくる
未来に対して
答えが出ないものに対して
怯えるのは目を背けるのは
愚かなのは重々承知
承知なのだ
承知なのだが
どうしても辛い
安寧と不変
そして慣れと懐かしさ
愛するものすべてに真っ向から
刃向かう蛮勇はどこから持ち出せばいいのだろう
まだ正式に所属していない場所で諍い
横目で見ながら巻き込まれていくのを感じ
憂鬱という2文字にすべてが詰め込まれる
オブラートに包むと不安になるのか
いっそ全員……
ひとまず
頭が割れそうなほど大音量の音楽で
全ての感情を殺してゆく
生まれてから何回目か
また一年経った
たったそれだけで
世界は変わらず変わり続けている
そのことに
自分の存在意義を訴えたくなるような
少しの傲慢と我儘を孕んだ
子供のような喚きをしたいと
今年は思わなかった
世界は変わり続けている
丸い地球の上にいる以上
端も隅もなく
自分もまたその世界の一部で
変わり続ける宿命にあるらしい
永久に未知の変化と逃避場所の無い現実
その大いなる恐怖への降参を
まずは脱落ではなく諦観として捧げよう
今回はまだ少しだけあたたかったから
てのひらの世界で踊って
てのひらの世界で喜怒哀楽を覚えた
この世界がおおよそ全てで
この世界で肯定されることが
生きる意味になった
あなたは怒るでしょうか
呆れるでしょうか
こんな世界に愛さえも感じている私を
愚かにも世界に対して疎外感を覚え
その行き着いた先でも疎外感
円に入る勇気もなく
縁が寄ってきても突き放してしまう
でも孤独がを異常で悲しいとする世界と
孤独から始まる世界
私には雲泥の差
なのです
肯定しか言わない道化師となり
悲しみも苦しみも抱えて押し潰し
愚かな綺麗さを保つ世界をつくりたかった
自分の現状は置いといて
あの人の幸せを願ってる
きっとそれは素晴らしいこと
それができてる私はきっと良い人
存在価値のある人間でいられてる
そう信じたくて願ってる
でも
そんな願いになんの意味があるんだろう
もうお祝いの言葉も言い疲れて
その辺に転がった定型分を探してる
コップの水を一杯
飲みほすのにも3回かかる今の私に
祝福なんてできてるの
ベッドの中でお祝いの文章を考える
全部消してコピペにびっくりマークを足す
それが今の精一杯なのに
私は何してるんだろう
視界が全部揺らいでいる
ようにさえ見えなくて
真っ白に統一された部屋は温度を失い
天井もチェストもクローゼットも
冷たすぎるくらいに熱を感じない
冷笑なのか失望なのかわからないけど
倒れたい
倒れてしまって全てから隔絶されたい
独りっきりになりたい
きっと寂しくて泣いてしまって
ここにいたいと思えるはずだから
そうすればまた
前を向けるはずだから
私は私をどうしたいんだろう
ほら朝が来た
夜は明けた
明けてしまった
暗く先が見えなくても朝は来る
いつか必ず良くなる
そんなことは戯言で
実際はなんとか一部が終わるだけ
それでもひとつ大きな悩みが解決されると
気が楽になる
いずれ来る終わりだったとしても
やっぱり嬉しいようだった
でも朝なのだ
朝が来てしまえば次の日が始まる
次の夜がやってくる
次はどんな夜になるのだろう
暑いのか寒いのか
息苦しいのかひりつくのか
その前に昼の太陽に焼かれるだろうか
嬉しいのは夜明けだけ
終わりは始まり
これほどまでに救いのない言葉になろうとは
やっとあの夜に慣れてきた頃
朝の残酷さを思い知らされた
歪な表情を浮かべた私を見て太陽が言うのだ
おはようございます。
今日も元気にがんばりましょう!
ヤケになった
私はヤケになった
散々確認してきたことを前日になって指摘された
私はヤケになった
もう落とす肩もなくなった後
私はヤケになった
今さらどうしようもないし
私の責任かもしれないけど
いっとき恥をかけばいいだけ
もうどうとでもなれ
わたしは家を出た
電車が遅れていた
私は…ヤケに…なった!!!
と思いつつも
実は言い聞かせているだけで
ヤケになれずに
満員電車の中ひとり焦り続けている
水をかければ冷えてしまう
焼石にもなれない
そんな私が恨めしい
金切り声が聞こえた
鼓膜を内側から破るように
悲鳴なんて生ぬるいものではない
限界の音色
積み重ねの結果だろう
それでも壊れるには丈夫すぎて
心を刺すことを止められない
意識を失って倒れてしまえば
私はこれだけ疲れているんだと
ここまで至るくらいに頑張ったんだと
必死に生きていられていると
少しは楽になるんじゃないか
ただの愚考
甘えた考え
自分で自分を認めてあげたかった
あるいは誰かに見てほしかっただけ
誰かに嫌な思いをさせたくないから
自分が嫌な思いをしたくないから
他者と深く関わることを避けてきたのに
まだ承認欲求なんて贅沢を望んでいる
そんな自分が死ぬほど気持ち悪い
何が建前でどれが本音で
この微熱と苦しさは
もはや風邪なのか
心にひびが入ったのかもわからない
愛を
誰か愛を
もう人に渡す愛は枯渇しかけている
あなた達は私にとって特別な星々でも
所詮私は極相林の中の草本がごとく
視界にさえ入っていないのでしょう
振り注がれる愛はここまで届かない
愛を
愛を
愛を
他者との関りを全て拒絶できる程に
全ての人間を嫌いになることができれば
救われるのだろうか
一度このどうしようもない生の外を歩いてみれば
私も生に囚われていたいと思えるだろうか
壊れかけの心の底から嫌いな言葉
生きているだけで素敵
誰かの自殺をもったいないと
哀れむように使われる
生きているだけで丸儲け
その人の傷も痛みも祈りも願いも
何もわかってあげられないのに
大量に流れてくる
ご冥福をお祈りいたします
まともな悲しみを装って
軽くあしらい勝手にけりをつける言葉達
悼み悲しみと同時に怒りが湧いてくる
そんな私も悲しい人間だと
私は私を蔑んでいる
私も死ねば誰かに囁かれるのだろうか
「これしきのことで死ぬなんて馬鹿だ」と
この心の金切り声に気づかなかった人間が
私自身ですら明確な言葉にできない痛みを
当然のように理解した気になる
私はそれが何より恐ろしい
まとまらずに飛躍していく脳内は
答えを出し切れない
そうか
こうやって答えを求めて
神や仏は作られたのか
私だけが孤独なのではないのか
落ち着く隙を見つけても
だから何が終わるのかと
心への負荷は加速していく
本当に救えない。
テレビの大人は言っていた
まだ子供なんだから と
街の大人は言っていた
まだ子供なのに と
まるで僕らが何も考えていないよう
分別のない子供らしい
少数の無駄に人を困らせる餓鬼のような
欲に飢えた知らない誰かと一緒にされ
理解できないものとして処理される
人間になる前の存在というぼやけた感覚
かつて子供だったあの人達は
昔の自分の思考を否定する
一体どれだけ身勝手で視野が狭かったのか
疑問に思うが興味はない
わからない物は嫌悪し否定する
以前わかっていたものですら例外ではなく
忘れてしまったものを取り戻そうとはしない
僕らはまだ考えることができない葦なのか
そうしているうちに
いつかこう言われていることに気づくのだろう
もう大人なのに と
お前はどんな人間か
深夜
周りの音が極端に少なくなった時間
ひとりの人間の呼吸音が部屋に響く
今日ものうのうと生きている
幸か不幸かと言われれば
幸と答えるべきなのはわかっているけれど
いつだって明日に怯えている
正体不明の焦燥感と後悔に苛まれ
どこかへ消えてしまいたくなる
書いた言葉も吐いた言葉も塵芥
このほとんど全ては自分のせいであるのに
自分を変えられないもどかしさ
下がり続ける自己肯定感と自己効力感
だが自分自身に絶望しているフリをして
内心は己に期待してしまっている愚かさを孕み
承認欲求は無駄に肥え太っている
もし自分の人生を別の誰かが歩んでいれば
もっと素敵な道のりにしてくれていただろうか
矛盾を抱え濁った心に置かれた鏡
写っているのがこの魂でなければ
そこはもっと美しかったのだろうか
他の誰でもなく自分に申し訳なくなり
天を仰ぐ傲慢さは殺しても殺しきれないだろう
何もかもに欠いた今の己は
まだ三日月だと自己暗示
小さな小さな満月で
それ以上でもそれ以下でもないことから
目を逸らしている
その醜態を俯瞰した頭上の自分は
本当に救えないと
白々しく吐き捨てた
重い自己嫌悪のなか時が過ぎるのを待つばかり
友よ少しだけ話があるんだ
だけど何をいえばいいかわからないんだ
友よ一言だけ言いたかったんだ
でもそれがお前を傷つけるかもしれない
「がんばれ」ってほんとは言いたかったけど
お前が頑張ってることは一番わかってた
ゴールの見えない努力に苦しそうだったけど
なんとか大地を踏みしめてその足で立っていた
それが俺には輝いて見えたよ
友よ俺は今なんて言えばいい
お前に伝えられる最大の応援を送りたい
友よお前は今どんな顔してるだろう
どうか誇ってくれ自分自身を
努力が結果につながる必ず報われる
そんな優しい世の中ならどれだけ楽だろう
全てが上手くいくなんて絶対に無いからさ
だからお前が燃やしてきた命を信じてほしいんだ
俺は信じてる信じているから
友よ結局全部言ってしまったよ
言葉が下手で本当にすまない
あぁ友よどうか今日は安らかに眠ってくれ
目が覚めたら世界が明るいことを祈るよ

