人を見ていた
踊る人をただただ見ていた
大きな大きなバツ印の中
黒く長々としたそれが
神様とでもいうのだろうか
人々は踊っていた
怒りながら悲しみながら守りながら
厚い厚い信仰心の元
必死になって踊っていた
しばらくすると新しい神がきたらしい
みんなが違うテンポで踊りだす
今まで観客だった人達も
通りすがりの人達も
全部知っているかのように
自信満々に踊りだしていた
踊りながら踊る人々を馬鹿にする人もいた
呆れながら鼻で笑いながら踊る人もいた
楽しそうに
それはもう心から楽しそうに
品性の欠片もない煽り踊り
神を理解していると
神は間違っていると
神は正しくあいつは最低だと
神は適当でそいつは敵だと
後に出てくる神ほど有利のように見えた
戦場だった
神を信じ何もない場所で必死に殺しあっていた
そこは大きな大きな箱の中
青い鳥が去った後に残された
巨大な文字が鎮座する
僕は何も言わない
神を信じていないから
神がなんだっていいから
神を信じて
誰かを罰して守って
何になるというのだろう
踊る阿呆にすらも興味はなかった