大学教授でありながらSF作家でもある橋元淳一郎が、物理的な視点に基づき時間論について語った一冊(このようなテーマを題材にしたものでは、著作にとって三冊目のようです)です。


時間を戻せたらなあとか、未来のことがわかったらなあ、と妄想することがよくあります。

しかし、時間が過去から未来に流れているという考えは、絶対的なるものではなく、主観(生命の主体意志)つまり私たち自身が勝手に創り出したものです、というのが橋元淳一郎の主張です。


生命はもろい秩序の塊である。

生き残るためには、エントロピー増大の法則という閉じたシステムから、逆らい脱却しなければならない。
それには、もろく単純な秩序だけでは不可能で、分子通しで複雑な関係を結び、お互いにフィードバックを掛け合わなければならない。

そして、フィードバックを形成するには、時間軸というものが必要である。

そこに速度ベクトルが生まれ、この速度ベクトルが主体意志そのものである。

この一連の説明が、もっと詳細でわかりやすく書かれています。

生きている私たちだけが、時間を獲得している。

なんとなく生活していると案外忘れがちですけど、時間を大切に使わないといけませんね。
奇跡のCFOと呼ばれた男である池田が、非常な外資系企業のなかで、奮闘し生き残る様を描いた作品です。

外資系企業というと、論理的な戦略を駆使して業績を上げるイメージがあります。

しかし、会社の中で働くのは感情を持った人間です。

池田の周辺で巻き起こる問題は、全て感情が元凶になっています。

例えば1番始めにぶつかった問題は、部下が同じ大学の先輩に当たる大下のやっかみからです。

そして最後に起こるM&Aも、前CEOよりも自分の業績を上げようと企んだCEOが生んだ焦りによるものです。

冷静かつ中立を貫いている池田でさえも、どこかで自分の気持ちに引きずられてしまいながらも、次から次に現れる問題に、正面きって立ち向かっていきます。

池田のスキルの高さを描く、一方で家族を犠牲しないと高みには辿り着かないという外資系企業の厳しい一面もつまびらかに描かれています。

またエンターテイメント小説としても十二分に楽しめる作品です。
マイケル・ムーア監督が送る最新作。アメリカ資本主義の間違いに気づかせるため、警鐘を鳴らすことを目的として作成されたドキュメンタリーです。

パレードの法則(または80対20の法則)という考えがあります。

イタリアの経済学者が提唱したもので、イタリアの富の八割を上位二割が持っているというものです。

つまり、同じ国のなかにも貧富があるという法則です。

社会主義国家ではない以上、偏りがあるのは仕方ないとは思います。

しかし、今のアメリカは異常です。

富の95%を上位1%が持っているというのです。

もはや格差なんてものでは表せません。

All or nothing.

持つものは全てを手にし、持たざるものは何も与えられない。

企業のトップに立つものには生涯収入に匹敵する額が一年間で得られますが、

一般人には家族を満足に養える給料どころか、生産性向上のために簡単にクビにされ、ローンが払えず家までも銀行に奪われています。

そしてその強盗のような銀行は中枢に息のかかった人物を送り込み、非常事態には国家からの補助が迅速に支給されているのです。

いびつな社会構造の上に成り立つアメリカ。

そこを手本にしている日本は、同じ過ちを繰り返さないようにするべきです。