●コメンテーター
著者:奥田英朗
刊行:2023年5月10日 第1刷発行
発行:文藝春秋
オビには「トンデモ精神科医・伊良部、復活!」とある。
いやほんと、実に久しぶりである。
でも17年ぶりとはびっくり!
いつの間にそれだけの時間が過ぎていたのだろう。
50代だった自分が70代だもんね。
時の流れの早さというか残酷さに、
改めて感動を通り過ぎてショックを受ける。
でも、その間、伊良部も看護師のマユミもまったく年をとらず、
今作でも相変わらず伊良部は、
マユミが患者にビタミン注射を打つところを
鼻の穴を膨らませながら間近で見ている。
本作には「コメンテーター」他、5編が収められている。
作中で患者たちは、伊良部のとんでもアドバイスで、
結果的に心が軽くなったり、スッキリしたりするが、
それは小生も同じ。
吹き出しながら読み続けているうちに、
曇りがちだった気分がスキッと晴れ上がっていた。