“老い”と向き合うことは、しなやかさを失わないこと | 魁!稽古人、徒然日誌

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空手とシステマ、誰ツヨDOJOyを稽古しているオヤジの徒然日誌です。武の体育功学舎空手伝承会松尾道場主宰、システマ福岡ネットワーク代表、誰ツヨDOJOy福岡稽古会所属、『現代護身術』講座企画立案者


仲代達矢という役者さんがいらっしゃいます。
たまたまテレビで見たドキュメンタリーが仲代さんを追うものでした。

7年前くらいの作品でした。

女優で主宰劇団の共同経営者でもあった最愛の妻を失い、老いていく己に気負わず向かい合い、淡々と9年ぶりに新作…しかも他の劇団との共同舞台に立つ他流試合。
これほどの役者さんが、芝居造り(覚えられないセリフ)に苦しむ様に、その姿が、そのまま舞台のようでした。

当時72歳。

妻が遺した遺言状を読む姿は、なんの力みがなく、まるで会話しているようでした。
その中で、仲代さんを気遣った一文があります。
『あなたは強い人です。強いことは一流の証しです。でも、それだけでは孤独になります。老いるとともに優しさを持ってください』

聞いていただけで泣きました。
嗚咽さえ漏らし、
そして、号泣してました。

番組は続きます。

テーマは“老い”でした。
仲代さんが好きな土地・能登での人々との交流も描かれてます。70代、80代で働く人たち。当たり前に、老いることに向かい合う方々の“しなやかさ”に驚かされます。


硬い強さは、脆い。
しなやかな強さを以て、強靭というんだそうです。


キャリアや経験は宝です。しかし、それに固執してはいけない、と教わりました。
下手なプライドは、軋轢を生むことも少なくありません。
死するその日まで、しなやかに成長するために、経験だけに胡座をかくことがないように頑張ります。