今年のアカデミー賞の本命と目されていたNetflixの「パワー・オブ・ザ・ドッグ」が
作品賞を逃し、「ROME/ローマ」と同じく監督賞で茶を濁される結果になりました。
ネット配信サービスに対するハリウッドの風当たりの強さは相変わらずですが、
ハリウッドが手掛けないアート系の作品を提供してくれるNetfliXの存在は、
才能あるフィルムメーカーを絶やさないためにも必要です。
「ダンケルク」のような映像と音響に拘った作品に対しては、映画は映画館で観るべき
という主張は成立しますが、アート系の作品は大都会のミニシアター以外で上映される
機会が少ないし、スクリーンの規模を考えるなら、どこでも好きな時間に鑑賞できる
配信サービスの必要性は高く、最終的には観る人の価値観と想像力に委ねられる
のだと思います。
NetFliX 歴代アカデミー賞作品賞候補作
※( )内は受賞作
2022年 パワー・オブ・ザ・ドッグ 監督賞受賞 (コーダ あいのうた)
2021年 マンク、シカゴ7裁判 (ノマズランド)
2020年 アイリッシュマン、マリッジ・ストーリー (パラサイト 半地下の家族)
2019年 ROME/ローマ 監督賞受賞 (グリーンブック)
受賞作は、NetFliXの作品に対抗し得るインディーズ系の作品ばかりです。