ラ・ラ・ランド(デミアン・チャゼル監督作品) | 人力飛行少年の肉体を脱ぎ捨てたなら

人力飛行少年の肉体を脱ぎ捨てたなら

ネットの海を漂う吟遊詩人になって
見知らぬあなたに愛を吟じよう

監督・脚本 デミアン・チャゼル

音楽 ジャスティン・ハーウィッツ

撮影 リヌス・サンドグレン

編集 トム・クロス

出演 ライアン・コズリング、エマ・ストーン

2016年 アメリカ

 

女優とジャズクラブのオーナーを夢見る男女のラブストーリーを描いたミュージカル映画ですが、

劇場の人工的な小空間に彩色を施した、煌びやかでメルヘンチックなブロードウェイミュージカル

と違って、映画の脚本としてしっかりと書き込まれたストーリーに音楽的要素を加えて、リアルな

現実にファンタジー色が加味されているだけなので、見た目の派手さはありませんが、主人公が

夢を叶えるために犠牲にしなければならない大切な思いが、等身大の感情としてストレートに

伝わってきて、生きることに前向きにさせてくれる作品です。

若者が見向きもしないジャズを愛するがゆえに、才能がありながら出世できない主人公の一途さを

通して、興行を優先するあまり観客に媚びて、新しい映画の可能性の扉を開こうとしないハリウッド

システムに対する監督のジレンマが込められた映画でもありますが、本年度のアカデミー賞で

最多の14部門にノミネートされ、興行収入も1億ドルを突破したことで、アトラクション化する

映画界に一石を投じたと言えるでしょう。

 


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