キャロル | 人力飛行少年の肉体を脱ぎ捨てたなら

人力飛行少年の肉体を脱ぎ捨てたなら

ネットの海を漂う吟遊詩人になって
見知らぬあなたに愛を吟じよう

 
監督 トッド・ヘインズ
脚本 フィリス・ナジー
原作 パトリシア・ハイスミス
撮影 エドワード・ラックマン
編集 アフォンソ・ゴンサウヴェス
出演 ケイト・ブランシェット、ルーニー・マーラ、サラ・ポールソン
2015年 イギリス/アメリカ

1950年代のニューヨークを舞台に、耽美な世界へ落ちて行く二人の女性の、切ない
禁断の愛を描いた作品。
今でこそ、LGBTと言う言葉によって一般に理解されるようになった性的少数者ですが、
原作が出版された1952年当時には、映画化されることなど想像もつかなかったはずで、
政治的な側面を排除して、純粋に愛の有り様をストレートに描くためには、今しかなかった
ストーリーだったと言えます。
ファッション雑誌から抜け出してきたような、ケイト・ブランシェットとルーニー・マーラの
美しさからは、香水の匂いが漂うだけで生活臭が全く感じられず、同じ題材を扱った
「アデル、ブルーは熱い色」の肉感的な獣性剝き出しの世界とは対照的な、白日夢を
見ている様な作品で、好き嫌いは別として、コミックが原作の「アデル、ブルーは熱い色」より、
本作の方が2次元っぽいスタイリッシュさを醸し出していました。


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