リカウント | 人力飛行少年の肉体を脱ぎ捨てたなら

人力飛行少年の肉体を脱ぎ捨てたなら

ネットの海を漂う吟遊詩人になって
見知らぬあなたに愛を吟じよう


飛行少年の肉体を脱ぎ捨てたなら


監督 ジェイ・ローチ

出演  ケビン・スペイシー, ローラ・ダーン, ベン・ギンズバーグ

2008年 アメリカ


ブッシュとゴアが争った2000年のアメリカ大統領選は、
稀に見る接戦となり、フロリダでは票のリカウント(数え直し)を
巡って訴訟沙汰にまで進展して、全世界にアメリカの
選挙制度の欠陥を露呈してしまったのですが、
本作は、その36日間に及ぶ混乱ぶりを民主党、共和党
それぞれの選挙本部の駆け引きを中心にミステリータッチで
描いています。
しかし、アメリカ史上最低の大統領とマスコミがブッシュを
叩き出した2008年度に作られた作品なので、
ゴア陣営の再集計委員会の顧問を務めたロン・クレインを
主役にした民主党寄りの映画になっていて、ロンが、
選挙に勝利したブッシュの法律顧問ジェームズ・ベイカーに
『最適な人が勝ったと自信をもって言えるか?』と質問して、
ベイカーが『そうだ。間違いない。』と答えると、
『そうであるように願っているよ。』という皮肉交じりの台詞で
締めているので、公平性を重視したと言う製作者の声には
疑問符が付きます。

アメリカ映画を観て感心するのは、実在の人物を本名のまま
描いている事ですが、選挙結果に重要な役割を果たすことになる
フロリダの州務長官キャサリン・ハリスは、本人が見たら
卒倒するんじゃないかと思う程の道化役(ローラ・ダンが怪演)で、
人権侵害で訴えられないのか心配になってしまいました。

本作は、アメリカのケーブルTV局HBOが製作したTVミニドラマ
なのですが、ケビン・スペイシー、トム・ウィルキンソン、
ローラ・ダン、ジョン・ハート等豪華な演技派の役者を集めて、
映画館で上映しても遜色のない娯楽作品に仕上がっています。


(2009年6月21日)


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