会長選出会議 | 人力飛行少年の肉体を脱ぎ捨てたなら

人力飛行少年の肉体を脱ぎ捨てたなら

ネットの海を漂う吟遊詩人になって
見知らぬあなたに愛を吟じよう

4月から隣組の組長を一年間務める。
早速、新しい各ブロックの組長が自治会館に集まり、
会長1名、副会長2名、会計1名を改選する選出会議が
開催されたのだが、立候補する物好きがいるはずもなく、
その場合は、抽選で決める事になっている。
どうしても、役職に就くことを阻止しなければならない。
普段なら家内が出席するのだが、今回は、
くじ運の悪さを買われて私が出席することになった。(@_@)
いよいよ抽選開始。
当初から、私は1番最後にくじを引くことに決めていたので、
予定通り最後尾に並ぶ。
最後まで当たりくじが残る確立が低いと踏んだからだ。
しかし、自分の番が回ってきた時に我が目を疑った。
まだ、くじが数枚残っていたのだ。
しまった!欠席者がいることを忘れていた。
まったく、あいかわらず脇が甘い。
覚悟を決めてくじを引き、恐る恐る覗き込むようにして
折りたたまれた紙片を開くと、そこに現れた光景は、
一面雪の白さで覆われたような、光り輝く汚れなき未開の
処女地だった。
「よっしゃー!」
外れくじで、喜ぶ機会は滅多にない。
貴重な体験を味わうべく、もう一度心の中で、
「よっしゃー!」と叫ぶ。
くじ引きが終了して、出席者全員のくじを確認したら、
会長の当たりくじを引いたものがいないことがわかった。
つまり、私の引こうとした数枚のくじの中に、
会長と書かれたくじが残っていたのだ。
「何と俺は、どこまでもくじ運がわるいんだ。」
「神様。今日だけは、あなたの存在を認めます。」
その後に、防犯委員4名の抽選が続けてあり、
それも無事クリアした私は、急いで家に帰り、
妻に戦勝報告をすると、
「さすがだわ、あなた…」とうっとりした妻の眼から、
たくさんの星が放出されて、部屋中に降り注いだ。(^_-)☆
「それじゃ、祝杯を挙げるか。」
一夜限りのヒーローは、どこまでもカッコいい。 (^_^;)

世界がとまってしまった様な静寂の夜。
小さな幸せを噛み締めていると、
TVでは「イラクのシーア派聖地で爆弾テロ、13人死亡」のニュース。
遠くで、出航していくフェリーの汽笛が虚しく響く。

(2007年2月21日)

ランキング参加中

↓応援クリックお願いします。

人気ブログランキングへ