ブラディ・サンデー | 人力飛行少年の肉体を脱ぎ捨てたなら

人力飛行少年の肉体を脱ぎ捨てたなら

ネットの海を漂う吟遊詩人になって
見知らぬあなたに愛を吟じよう


飛行少年の肉体を脱ぎ捨てたなら
監督 ポール・グリーングラス

出演 ジェームズ・ネスビット、ジェームズ・ネスビット

2002年 イギリス/アイルランド


1972年1月30日に北アイルランドのロンドンテリーで、
インターメント(裁判なしの拘禁)撤廃やカトリック市民に対する

差別を訴える抗議デモに参加した一般市民に対して、
イギリス軍のパラシュート突撃専門部隊が実弾を発砲して、
27名の死傷者を出した『血の日曜日』事件を、
『ユナイテッド93』のポール・グリーングラスが
ドキュメンタリータッチで再現した劇場未公開作品。

この作品は、統率力を失って制御できなくなった集団が
混乱していく様を、デモする側、制圧する軍隊双方の視点から
客観的に描いているのが良い。
『犠牲者や家族のためにも、私たちは闘い続ける』と
人権団体の女性幹部の言葉を最後にこの映画は終わるが、
その思いは、プロの役者では演じることの出来ない真実の重みとして、
あの日を再現するためにエキストラで集まった10万人の
一般市民から痛いほど伝わってきて、
その集団が作り出すダイナミズムに終始圧倒された。

この事件を契機に、IRA(アイルランド共和軍)に
入隊を志願する若者が急増したと言う。
暴力によって、新たな暴力が生み出され、
新たな悲劇が繰り返されていく。
エンドクレジットで、この事件を歌った
U2の『Sunday Bloody Sunday』が流れる。

♪今日のニュースは耳を疑う
目を閉じても悪夢は消えない
いつまで歌えばいいのだろう
いつまでこの歌を
今夜世界が1つになれるのに
サンデー・ブラディ・サンデー(血まみれの日曜日)♪

♪僕らはマヒしてしまった
作り事の真実やTVの映す現実に
だが今日も大勢が泣いている
大勢が明日飢えて息絶える
本当の闘いが始まる
イエスの勝利を手に入れるための
サンデー・ブラディ・サンデー♪

30年以上経った今でも、
U2はこの曲を歌い続けている。


(2008年2月7日)


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