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文学ing

森本湧水(モリモトイズミ)の小説ブログです。

少年には一日にして人生が一遍する瞬間があるものですが、

長男の場合、今日だったのかもしれません。

 

去年のスタメンだった6年生たちも才能にあふれ努力を怠らず、コーチに叱責にも耐える素晴らしいプレイヤーばかりでした。

 

そんな彼らですが、全国を掛けた大事な試合に置いて、わずか一点差で敗れ去った相手が居ます。

W小学校。

 

W小チームは、長男たちのI小学校チームをかなりマークしていて、徹底的に対策を立てて去年のメンバーを撃破してみせたのでした。

 

因縁の対決が、今日です。

 

私は、長男に関して昨日、

高く

貴く

跳びなさい

 

と言いました。しかし、今日の試合で彼は、見せてくれたのです。

高く飛び上がる姿ではなく、

蔦の様に地に伏せてチームを守る姿を。

 

W小には得点力の高い選手が居ました。長男は彼に張り付いて、試合の間中完璧に抑えきり、ついに1ゴールもさせませんでした。

 

もちろん攻撃力はあるにこしたことはない。

しかし、自分のマークマンを止めるのは、孤独な仕事じゃないかな。

 

長男は、今まで練習中でもシュート力が低く、味方もなんとなくあてにしないので誰もパスを回してくれない。そんな部員でした。

今日。

たぐい稀な集中力でもって、

ついに本分を発揮してくれた。なんてすばらしい。

 

硬く硬く閉じていたつぼみがとうとうほころび始めた。今日が彼にとって意味のある1日として人生に刻まれてほしい。

 

そして、私は何度でも

このことを思い出して書き始めるでしょう。

 

(今日は徹頭徹尾長男へののろけでした)

(おそまつさまでした)