小説「笹子」 | 文学ing

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森本湧水(モリモトイズミ)の小説ブログです。

ぴん、
と弾いたような感触、かな。すぐにスマホのコールが始まるから私は
きたきた。
と思う。

上手く説明できない。それが始まると、私の中に押し入って流れ込んでくるものがある。

ねえ、そう言えば、すべてのことは波、と知っていますか?
私はこないだ従姉妹の笹子と行ったプラネタリウムで、
光もそうでないものも見えるものも見えないものも、
全部同じ揺らめきの一端なのであって、それぞれに揺れかたが違うから、見えたり見えなかったり呼び方が違ったりするだけなのだ。

言うなれば、力?揺らめく力の波?きっと私の中に入ってくるのも、その触れ幅の何処かにくすぶっている
モノ
なのでしょう。
とにかく電話が鳴っている。

「ミツキ、あんたまたなんか拾ったね。」
笹子だ。鳴る前から分かっていた。

途端に、私には笹子が
ババラババラババラ!!
と激しい雨に打たれているのが分かる。でも、雨にしては音が荒いな。

私は、見えている訳じゃない、でも起こっていることは分かる。触れられる訳じゃない。でも理解をしている。

笹子は無数の石つぶての打たれていた、いや、違う。
もっとよく、自分を凝らしてみたら、笹子は降りやまないどんぐりの雨の下で途方にくれていた。
あーあ。なるほどね。

私は霊媒体質というのだそうです。幽霊とか化物とか、とりあえずなんだか分かんないけどヒトでは無いものに縁が深い。そう言うものが、理解出来る。

理解出来るのは私なのに、何故か反応が顕れるのが笹子なのです。

迷惑だわ。
と散々言われている。私も不思議だ。
処理するのは私なのに、どうして一度笹子にバウンドするんだろう。

「とにかく早くなんとかしてちょうだい。」
と笹子。

「あのね、それ、山ワラシって言うのよ。」
と私は処理を始める。