牢屋の中の死刑囚、でなければ死のうと思って飛び降りて、途中の岩に引っ掛かって身動きが取れない。
その向こうには自由の国、私には行けない。
到底受からない大学の入試結果を待っている。もう届く頃なのに何時まで待ってもやって来ない。
こんなとき郵便屋は、ダイレクトメールばかり配送して私を苦しめる。
模試の判定は一回だけがC。それ以外はDかE。
到底受かる筈がない。私は意味不明の英文に適当な答えを書いて帰ってきたのだ。受かる訳がない。
なのに結果を待っているのがこんなにも辛いのか。
私はベッドにうつ伏せて、枕に顔を埋めて足をバタバタさせているんだけど、
その足が鎖で繋がれているようにどうしようもない。私は何処にも行けない。
格子のはまった窓から外を覗くような気持ち、途中の岩の上で何度も朝日を迎える気持ち。
殺される私は、死にたい私は、でも、それでも感じるのだ。
空はなんて広いんだろうと。
格子のはまった窓に月が掛かるときに。岩の上でうずくまって、朝日が昇ってくるのを待つ間に。
なんて、なんて。
空は広いんだろうと。
死んだら私はそこに行ける。でも結果通知はまだ来ない。
私は死ねない、殺されない。
その向こう側は自由の国。私は、鎖に繋がれたまま、まだ生のこちらがわでもがいている。
自由の国には行かれない。