そういえば父にだけは言ってなかった | 文学ing

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森本湧水(モリモトイズミ)の小説ブログです。

「36になった。」

の記事の時にも書きましたが、

あと20年経ったら私は父親が死んだ年になります。

 

父が52の時に一緒に酒を飲みながら彼がしみじみと、

「俺の人生もあと20年だぞ。」

と言いました。父方祖父は72の時に、父と同じく急逝したので。

(それは私の高校入試の前日の事なのでした…たいへんだったなあもう!!いやおじいちゃんは大好きだったけどな!!それにしたってな!一応県内で2番目に偏差値高い高校受験したからな!今はどうだか知らないけどな!)

 

あと20年。私はなんとしても夫の後を看取らなくてはならないので、それ以上生きる可能性の方が高いのですが、

なんだろう。

 

年を取ればとるほど父の視線に近づいていく自分が居る。

 

元々クローン親子と言われるほど性質が似ていたんですけどね。それにしたって、最近特に。

 

などと考えていたら、

死んだ父だけには今再び小説家を志していることを言ってなかった

事を思い出したのです。

うっかりしてた。

 

とちくるっているわけではありません。仏壇とか墓で手を合わせて話すという意味です。正直なところ、

 

ごめんお父さん、

すっかり忘れてた。

 

っていうのか本音です。本当に、同窓会でも同級生に「小説家になる」って高言したんですが、お父さんに言うのだけ忘れてた。ごめんお父さん。

 

君が今生きていて私の姿を見たらどう思っただろうな。

 

そんな荒唐無稽で非現実的なことは止せ、と言っただろうか。

それよりも子どもの面倒をもっと見ろ、と言っただろうか。

 

言われなくても君の考えていることくらい私にはわかる。

だからここには書かない。

 

あと20年。

20年で父が死んだのと同じ年。自分の年齢のせいでしょうか。

まだ20年あると思えます。

 

しかし父はあの時、

「もう20年しか残されていない。」

と言いました。