朝、
兄の食べこぼしのクラッカーの欠片をあかちゃんが口にいれようとしたので、止めた。
それを見て夫が、
「いろんなものが落ちてるよ。掃除しなさい、お母さん。」
と言った。
私はその瞬間ヒューズがバチンとはぜたようにその言葉の意味が分からなくなって?
「え?!」
と言うなりフリーズした。
「え?」
と言って夫もフリーズした。あかちゃんがミニカーのおもちゃで遊びだしていた。
私はその言葉の意味が分からなかったのである。
頭の働きが完全に止まってしまって何も言えず何も出来なかった。
「え?」
と私が言う、
「souji ?」
「え?!」
と夫が言った。
「ソウジって何?」
かろうじて私は言ったのだった。
「は?!」
私たちはかんてんに閉じ込められた朝の中をお互いを思う様疑って大混乱の最中に居た。こう言う時は口よりも手を動かした方がよい。
私は箒とちりとりを出してきて兄の食べかすを集めて捨てた。その様子を見ていた夫が、
「…どうしたの?」
と恐る恐る訊く。
「ソウジの意味が分からない。」
「今やってたでしょう。」
「?」
「分からないの?」
私は頷いた。夫はあ然とした顔で、じゃあ、と言い直して、
「ゴミを集めていたでしょう。」
と言った。
「ああ、それなら分かる!」
「はあ!?」
私にはソウジと言うタンゴの意味が分からなかった、今日の朝。
よくよく考えてみるに、ソウジは私のトラウマである。ごみ屋敷に産み落とされて、
ソウジしろ、ソウジしろ!!
と言われて育った私は未だにソウジが身に付いていない。
誰もその素養を教示してくれなかったわりに、
出来ないと叱られてばかりだったからである。
ソウジしろ!ソウジしろ!
やり方が分からない!!
今朝はその一番にがてな所を一番突かれたくない夫に言われたので体が固まったのだろう。
私が一番触れられたくない話題だから。
ところで皆さん、
soujiってなんですか?