小説「いつか私もあなたの悪意」 | 文学ing

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森本湧水(モリモトイズミ)の小説ブログです。

学校に行かないと決めたのは同じクラスのこが自殺したからだった。

タイミングが良かったのだ。でもそう言ってしまうとさすがに後味が悪い。ひとが死んだのにタイミングぁ良いなんて言ったら後味が悪い。

今までずっと学校に行くのは嫌だった。でも堂堂と休むには口実が必要だった。
そのこの自殺は私が学校に行かなくなる原因としてはとても都合がいい。
そのこが自殺して直ぐに私も学校に行かなくなったら、私もいじめの被害者になれる。
少なくともそう言う印象を周囲に与える事は出来る。
出来るだろうと私は思った。

与えられなかったらそれはそれで良い。
現状両親も担任も私が学校に行かない事について何もしない、言わない。
ということは、
私が同級生の突然の自殺に心を痛めている、精神的なショックを受けている
と彼らは考えているのだろう。
と私が考えることができる。

同じクラスだったそのこはいじめられていた。
仕方がないのだ。
そのこがいじめられていたのだから。

私は長い間学校に行くのをどうやって止めようか考えていた。
良いアイディアが浮かばなかったのでしぶしぶ学校に通っていた。
私にとって学校は何の魅力もメリットも無い場所だ。あと5年もそんな所に毎日行かないといけない、
私は嫌でいやで、冗談じゃない、早く止めたい、どうしたら良いだろうとずっと悩んで居たのだった。

だから、
良いきっかけになったと言うのはあんまりなのだけど、そのこの自殺があったから、
私が学校に行かない事が些細な問題に成れたのは幸運だった。


違う。

私はもう徹底的に怖くなったのだ。
もう言ってしまおう私は怖くなったのだ。怖くて怖くてしかたがなくなってしまったのだ。

そのこはいじめられても何でもなかった。
ただウェイトの軽いクラスメイトの一人、それだけだった。
でも彼女は死んだ。自殺してしまった。
いじめに苦しんで。
彼女がいじめられていたなんて私たちのだれも知らなかった。彼女が死んでから私たちは突然

いじめの傍観者になったのだ。

私はそれが怖くて堪らなくなったのです。
今この瞬間に私が誰かにとって悪意ある存在になっている。
私にはそんなつもりがないのに!

でも誰かにとって私は悪意。
でもあなたが誰だか私は知らない。
しかしあなたにとって私は間違いなく悪意に満ちた存在なのだ。
冗談じゃない。

私は学校に行くのをやめた。付き合いきれなくなったのだ。

いっそ言うならば、
何時どこで誰の悪意になるか予測もつかない集団と言うものの中に居ることが、
どうしようもなく、たまらなく、がまんが利かなくなってしまったのです。