小説「魔女の眼」 | 文学ing

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森本湧水(モリモトイズミ)の小説ブログです。

松尾さんの眼はきもちわるい。
松尾さんの眼ははいつも何かを品定めしている。何時でもどんなものでも。だから私も品定めされている。

つまりランキング。

松尾さんはいつも一人で、松尾さんの眼に映るすべてをランキングしている。

そしてランクからはみ出そうになってる人がいると、それこそものすごい眼で、見る。

だから松尾さんの眼はきもちわるい。

きもちわるい。
どうしてきもちわるいんだろう。多分、理解出来るからなのだ。
ランキングと言うことの意味が。

私たちにはランクがある。上下うえしたを決めるためのランクを皆が持っている。

ランクは固定制で自分のランクよりも上には行けないし、と言うか行ってはいけない。
ランクを理解出来なくて勝手なことをしようとすると、
制裁される。松尾さんはそれが嫌いなの。
わざわざ制裁される人が嫌いなの。

だから松尾さんはものすごく見ている。

魔女の眼には呪いが掛かっていて見つめられると病気になったり不幸になったりしたそうだ、松尾さんは。

まるで魔女みたいな眼で私たちを見る。