小説「花嫁」 | 文学ing

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森本湧水(モリモトイズミ)の小説ブログです。

たまたま其処に居たとき、観光してたのだが、
新婚の行列に出くわして、訳もわからず花をもらった。

ユーラシアの花嫁は、なんだってあんな、色を使った衣装を着るのだろうと不思議に感じる。
私の国では、
花嫁になるときは死人時の格好をする。

だって嫁ぐ時と、棺桶に入る時は同じ服なんだもの。

そう考えると、お嫁入りとはある意味お葬式なんだな。

自分のの死んでいく姿を、ひたすら見つめる一日なんだな。
私の国ではそうである。

対して色を用いると言うことは、それが布でも宝石でも、
死んでいく自分から目を背けると言うことだ。

賑やかな鮮やかさとは天国の持物、アトリビュートなのだから。

賑やかな鮮やかなものは、天国を目指させる。

その時あなたは死んでいく自分のことを、誤解していられる。

そんなものは無いのだと。

そんな上手くことが運ぶわけないだろう。

今しもロバに乗って、鮮やか塊の花嫁さんが、泣きはらしてやってくる。

どんなに誤魔化してもごまかしきれない死と言うやつが、
彼女くらいには見えてるらしい。