同級生のるうちゃんと、
そのとき付き合っていた彼氏が居なかったら、
私はきっとゴネ先輩を好きになっていただろう。
いいことだったのかな。
悪いことだったのかな。
るうちゃんは可愛かったけど、
酒癖が悪い辺り関西のおばちゃんの血を彷彿とさせるものがあって、
その辺が周囲の男子に受けていた。
私がその時付き合っていた彼氏はそれほどイケメンとは言えなかったけど、
一緒にいて五月蝿くない程度に気を遣ってくれる誠実さがあったので、
そういうところがとても気に入って好きだった。
だからゴネ先輩に強いて進んでいこうという気持ちにはならないのだった。
その当時の思い出。
ゴネ先輩は顔もきつくて冗談もきつかったから、
2こ下の男の子は恐れているこも多かったけど、
でもゴネ先輩がるうちゃんのことを真摯に愛しているのはみんなが知っていた。
るうちゃんにも仲良しの彼氏がいたから、
ゴネ先輩はるうちゃんを特にどうこうしようとはしなかった。
でもるうちゃんの彼氏は働いていたので、
るうちゃんが大学に居る間だけは
単純な同じ学校の生徒
という関係に潜んでいられる幸福を
ゴネ先輩が静かに守ろうとしてたことを
私はなんだか祈りにも似た気持ちで見ていた。
そこにはある種の悲壮があったけど、
同時に神聖といってもよさそうなほどのものも確かに存在していたのだった。
大学を卒業してから10年くらいになるのだが
いつのまいかるうちゃんともゴネ先輩とも連絡がとれなくなってしまった。
二人が今どこで、
どんな日常を送っているのか。
私に知るすべはもうない。
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