文鳥のお見合いなんて | 文鳥屋店主 敬白

文鳥屋店主 敬白

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自由恋愛の2羽

 

 当店では、文鳥の宿泊もお受けしています。場所が不便なのでいつでも、いらっしゃいませ~、な状態ですが、店主には、お世話するにあたってのトラウマがあります。

 10年近く前ですが、真冬に、我が家の嫁にする文鳥を仕入れてもらおうと老舗の小鳥屋さんに行ったら、何やらもめていて、(何となく仲裁役になってしまい)そこの店主とお客様のご夫婦の話を聴いたら、お見合いのためにお店にオスの文鳥君を預けたところ、別の文鳥ペアを渡され、問いつめたところ、冷蔵保存していた遺体を出してきた(なぜか私も遺体を見せられた)、という、びっくりするような話でした。

 で、文鳥に宿泊してもらう立場になった時、なぜ死んでしまったのか、なんです。そのお店は、土間にストーブのような感じで夜の暖房はどうしてるのか知らないですが、凍死するほどのことは無かったはずです。ですから、むしろ環境変化でショックを受けて死んでしまったのだと思えます。

 そのご夫婦は、ペアの文鳥のうちメスが亡くなってしまったので、新しい相手を求めて、お店にお見合いをさせようとしたらしく、文鳥のためを思ってしたことでした。ところが、残念なことに、文鳥にはそのような事情は理解できないです。妻に先立たれてショックな時に、わけのわからない場所に連れてこられたら、それはショックでごはんも食べられなかったはずです。

 そういうことがあるので、わけもわからず見知らぬ環境にやって来たお客様の文鳥君には、まずは温かく安静に、安静すぎるとじっと固まってしまうことがあるので、少し離れた位置に他の文鳥が見られて、鳴き声が聞こえる環境がベターだ、との結論になっています。

 

 それで、ついでにペットショップでのお見合いについてですが、あんなの無意味です。カゴを隣り合わせて落ち着いた環境で時間をかけて様子を見るならいいですが、見知らぬ騒々しい環境で「は~い、お見合いですよ~」と言ったところで、落ち着かず、気が合うもヘチマもないです。くりかえしますが、文鳥には事情を説明できない、この認識が重要です。

 最初気が合わなくても、時間をかければ仲良くなることもあるものです。逆に気が合っているようでも、時間の経過とともに「性格の不一致」などと言い出しかねないようなこともあります(人間と同じなんですね)。文鳥心もいろいろなので、仲が良くても悪くても、楽しめるだけの気持ちが大事なんだろうなと思います。