今日は楽しみにしていた全日本大学駅伝。朝からテレビにかじりついて応援していた。うちの家族の推しは、妻が駒澤、娘が東京国際、息子が東洋、そして私は青山学院である。

 

 今年の全日本は予想以上の大激戦。だが、最終8区を迎えてみればトップ駒澤、2位青山と強豪2校が抜け出していた。青学アンカーの飯田クンは、2年前やはり8区を走り、東海の名取クンに抜かれて優勝を攫われ、涙を呑んだ。今日はその無念を晴らすべく、トップを走る駒澤の花尾クンに追いつき食い下がったが、最後は駒澤が逃げ切って2連覇を果たした。飯田クン、このリベンジは是非箱根で‼️😉

 

 

 一昨年の全日本は、コロナ禍前だったので、家族旅行でお伊勢参りを兼ねて現地で応援した。レースの翌日には、早起きして渡会橋〜伊勢神宮という8区を一部を走ってみたのも思い出深い。

 

 

 さて、今日はずっと駅伝のテレビ観戦をしていたので、ブログ執筆開始が遅くなってしまった(笑)。岩崎宏美復活を高らかに告げた完全洋楽センスの『FULL CIRCLE』から「ONE DAY,SOME WAY」を取り上げたい。作詞:CAT GRAY・藤田千章、作曲:CAT GRAY、編曲:13CATS。

 

 このアルバム発売を記念して、東名阪3箇所でツアーが行われた。このコンサートは、『MY GRATITUDE』『FULL CIRCLE』の2枚のアルバムの曲を中心にセットリストが組まれ、活動休止前のヒット曲は最小限に抑えられた。『FULL CIRCLE』収録曲の多くが披露されたが、東京ではゲストがASKAだったため、佐藤竹善さんとのデュエット曲「BACK TOGETHER AGAIN」はなし。他に「BIRTH」とこの「ONE DAY,SOME WAY」の2曲が歌われなかった。

 

 そんなこともあり、この曲は私の中で何となく神秘的な(?)ポジションを維持している。何しろ、イントロが不可解だ。インテンポで普通のイントロが始まる前に、“イントロのイントロ”のようなテンポフリーの部分が何と40秒以上も挿入されているのだ。

 

 その部分に言及されている、13CATSに詳しい方のブログを見つけたので引用しておこう。

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続く「ONE DAY SOME DAY」(ママ)。いきなりCATのSE的シンセにTAKAとKARLの激しいリズム隊のソロが始まり...またもやモロ13CATSワールドが展開です。CATが歌っていても全然おかしくない、13CATSのアルバムにありがちなバラードです。もうCAT GRAY、好き勝手にやってるって感じですね。

(『TOTOからはじまったイモづる式音楽日記』より)

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 なるほど、この曲は13CATSワールド全開、という訳か。

 

 歌い出しの「♪ 曖昧な中で/すべてが/動く〜」から、ブルーノートの♭5thを多用し、ブルージーに始まる。歌詞から拾うと、「曖昧な中で」「朝も夜もない」「何が答えか見えない」等のワードが並び、混沌とした世界観が歌われている。その辺りが、SE的なシンセや無軌道なリズムセクション、ブルーノートの使用とリンクしているのか。

 

 だが、コーラスの後半では「本当の愛」「信じ続ける」「幸福」などの言葉が現れ、音楽にも明るさが見えて来る。タイトルと同じ言葉“One day”“Some way”も歌詞に登場し、いつかどうにかして、「本当の愛を知る」時が来ると信じ、前を向くのだ。

 

 CATによるプロデュースは、「BIRTH」のような緻密に計算されたヴォイスコントロールやコーラス、「DREAM ON」同様のタイトな16ビート、全編にわたるハイトーンのファルセット等、サウンド的にも聴きどころたっぷりである。エンディングの後半で、「♪ 幸福(しあわせ)を」と繰り返す部分は、歌というよりは低音で囁くような感じだ。

 

 

 そのエンディングがフェイドアウトしてゆくと、SALT(塩谷哲)によるクラシカルなサウンドが1分半近く展開し、彼自身のピアノによる静かなワルツ「窓」が始まる。このアルバムが収束の方向に向かうのを感じるのだ。

 

(1995.11.22 アルバム『FULL CIRCLE』収録)